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医学部ガイド

現役医学部生に聞く

2021.09.06

【東海大学/総合型選抜(希望の星育成)合格者の声】
多彩な経験が生きる 総合型選抜の魅力

「良医育成」を掲げる東海大学医学部では、様々な領域に進出して、そこで良い医療を提供できるような人材を育成するため、多彩な入試を実施している。2018年度からスタートした「総合型選抜(希望の星育成)」もその1つで、学科試験だけでなく、それまでの活動を踏まえて、「良医」になる資質があるか、「良医」を目指す準備ができているかなどを総合的に判断している。今回はこの入試を突破した3人に、その魅力について語ってもらった。

出席者: 菅井優里さん(2年)、木村雄太郎さん(1年)、鈴木瑛美子さん(1年) 出席者: 菅井優里さん(2年)、木村雄太郎さん(1年)、鈴木瑛美子さん(1年)

いろいろな活動や体験を評価してもらえる入試

──まず、東海大学医学部を志望した理由を聞かせてください。

木村 両親共に医師で、伊勢原キャンパスに隣接する東海大学付属本田記念幼稚園に通っていたこともあり、東海大学の医療関係者との関わりが幼い頃からあったので、医師への憧れはありました。そんな環境もあって中学3年で「医師になりたい」と夢を抱いたときに、真っ先に思い浮かんだのが東海大学でした

東海大学伊勢原キャンパスと医学部付属病院 東海大学伊勢原キャンパスと医学部付属病院

鈴木 私の場合は、総合型選抜入試の存在を知ってから東海大学を志望校として考えるようになりました。親族には医療関係者がいないため高校1年で医学部志望を決めてから大学を探し始めたのですが、父が東海大学医学部の説明会に参加し総合型選抜の話を聞いてきてくれたことから興味を持ち、高校2年のときにオープンキャンパスに参加しました。そこで総合型選抜を経験した学生の方にお話を伺ったことが、東海大学を志望するきっかけとなりました。大学構内の雰囲気や学生の様子などに惹かれたことも大きな要因です。

 

菅井 幼い頃から医師への夢を持っていましたが、中高時代に英語が好きになり、語学系への進学と迷った時期もありました。最終的には医学部を志望することにしましたが、英語も伸ばせるような大学に進みたいと考えました。東海大学には1年次から英語に特化したプログラムがあり、留学プログラムも世界各地に広がっているため、私の希望にはぴったりでした。また、総合大学ですから、他学部の学生との交流で視野が広がる可能性も感じたため、志望校として考えるようになりました。父が東海大学医学部出身の医師なので、それも影響しているかもしれません。

──総合型選抜の存在を知り、どのように感じましたか。

菅井 学力以外の活動を評価してもらえるのは良いなと思いました。というのも、幼少期から皮膚の病気を患わっている患者さんをサポートするボランティア活動を続けていましたし、高校生のときから宇都宮大学の研究室で研究活動をさせてもらっていました。そういう活動を評価してもらえるのはありがたいと…。アクティブラーニングを積極的に導入している高校だったため、そこで身につけた積極性や発信力を発揮できるのではないかとも考えました。

 

鈴木 オープンキャンパスに参加した際に総合型選抜の経験者にお話を伺って、はじめて「自分も受けてみよう」と思えるようになりました。中高時代の活動を評価してくれると聞き、中高一貫校でずっと居合道を続けてきて高校1年から部長として部員をまとめてきた経験などをアピールできると考えたからです。

居合道で稽古に励む鈴木さん 居合道で稽古に励む鈴木さん

鈴木瑛美子さん(1年) 鈴木瑛美子さん(1年)

木村 総合型選抜の存在を知ったのは高校2年の時です。アドミッション・ポリシーなどから、この入試はそれぞれの個性を生かして医師として活躍できる人を求めているのだと解釈しました。中高時代にはいろいろな活動をしており、経験を活かせるような医師になりたいと思っていたので、この入試は自分のためにあるのだと思い出願することにしました。

大切なのは自分の考えをまとめて話せる能力

──総合型選抜のためにどのような準備をしましたか。

菅井 活動報告書にまとめる必要があるため、これまで続けてきたことに加えて、学校で行われる活動にも積極的に関わるようにしました。たとえば、研究活動で茨城大学や東京理科大学でポスター発表を行ったり、校内のディベート大会への参加、国際ソロプチミストの全国大会に出場したりしました。面接に関しては、過去に実施された面接での質問事項などを知らせてくれるシステムが学校にあったため、それを活用したほか、学校の先生や父などに頼んで面接練習をしてもらいました。学科試験は大学入試センター試験(現:大学入学共通テスト)だけで、私立医学部の試験とは対策がかなり異なりますから、センター用の勉強にも力を入れました。

国際ソロプチミストの全国大会で活躍する菅井さん

菅井優里さん(2年) 菅井優里さん(2年)

鈴木 まわりに医療関係者がいない環境のため、学科試験以外の対策は塾の講座を利用しました。小論文の講座は高校2年の夏頃から受講を始め、面接対策も、塾や学校の先生にお願いしました。なるべくたくさんの人に何度も見てもらうことを心がけ、いろいろな視点から話す内容、しゃべり方、姿勢などをチェックしてもらいました。また活動報告書に関しては、居合道や茶道部、地域ボランティア活動などを自分なりにまとめ、担任に添削をしてもらいました。

 

木村 総合型選抜は、「ありのままの自分」を出す入試だと理解しており、ありのままの自分を受け入れてくれる大学に行きたいと思っていたため、正直、総合型選抜のための特別な準備はしませんでした。面接を想定して自分の構想を口に出してしゃべるなどはしましたが、それよりも医師である両親との会話の内容を意識して気に留めるようにしていたことの方が、対策に役立ったかもしれません。なので、一般選抜の勉強を続けながらも、大学入学共通テストの最初の世代として、その対策にいちばん力を注いでいました。

──オブザベーション評価の対策はどのようにされましたか。

菅井 オブザベーション評価に関しては、一切情報がなかったため、どのように準備したらいいかわかりませんでした。この入試では、自分のことを表現したり、話したりすることが求められていると感じたため、これまでの活動で培ったもので勝負するしかないと思っていました。幸い、大学教員の前での発表や質疑応答をした経験があったので、活かすことができたと思っています。

 

鈴木 私が受験する際には、最後にプレゼンがあることはわかっていたため、考えをまとめて話す練習はしました。具体的には塾の討論の講座を利用して、議論の内容をまとめて発表する練習や、塾の先生にテーマを出してもらい、1分間で考え、3分間で話す練習などをしました。それでもオブザベーション評価への不安が大きかったため、父に調べてもらい、前年に合格者を出している塾が実施するオブザベーション評価と同じ形式で行う模擬試験講座に1日だけ参加しましたが、これは大きな安心材料になりました。

 

木村 特別な対策はしていませんが、いろいろな活動をしてきたことが結果的に役立ったと思っています。野球部、生物部、ウインドサーフィン、バイオリン、TVのクイズ番組への出演、学級委員、アニメオタク…など、興味の赴くままに手を出してきましたが、そのたびに新しい人との関わりが生まれ、コミュニケーション能力を磨くことができました。オブザベーション評価では初めて会う受験生との協調性も求められるため、間接的な対策にはなっていたと思います。

木村雄太郎さん(1年) 木村雄太郎さん(1年)

野球部で活躍する木村さん 野球部で活躍する木村さん

コロナ禍だからこそ感じる総合大学としての底力

──入学してみて改めて東海大学医学部についてどのような感想を持ちましたか。

鈴木 まだ、3ヶ月くらいしか経っておらず(取材は2021年7月)、十分にわかっているとはいえない状況ですが、それでもコロナ禍のわりには、友だちと交流する機会は多いと思っています。湘南キャンパスでは、体育の授業が対面であり、医学科の専門科目も隔週で対面講義が行われるなど、想像していた以上のキャンパスライフがあります。それでもオンライン講義が多いため、自主的に友だちとオンラインで勉強する時間を作るなどの工夫はしています。

 

木村 東海大学医学部に入学してくる人たちの幅広さに、改めて驚きを感じています。入試だけを見ても、一般選抜のほかにも総合型選抜、大学入学共通テスト利用選抜、一般編入学選抜、付属高校からの推薦入学など多彩で、その分、個性豊かな人たちが集まっています。この学生の幅の広さこそが、東海大学の強みだと本気で思います。コロナ禍で個々の自主性が問われることになりましたが、オンライン講義の後に、自主的な交流会や勉強会を立ち上げたりする仲間が出てきましたし、自分でも時間の使い方を考えて行動するようになりました。学生が自主性を発揮しやすい環境にあることも東海大学の魅力だと考えています。

 

菅井 私のときは入学してすぐにコロナ禍に見舞われたため、1年次の海外研修が中止になり、一般教養の講義がすべてオンラインになるなど、想像していた大学生活とはかなり違ったものになりました。しかし、解剖実習や研究室と病棟での個別体験学習などは、感染対策を十全にした上で対面で受講することができました。こんな状況の中でも学生の教育の機会を確保してくれたことに感謝しています。また、東海大学の全キャンパスと海外の大学を結んだオンライン交流会「東海ヒュッゲ」の活動を通して、医学部以外の学生や海外の大学生とつながることもできており、総合大学としての東海大学の底力のようなものをひしひしと感じています。

オンライン交流会「東海ヒュッゲ」

体験や経験を客観的に振り返っておくことが必要

──最後に、総合型選抜を考えている受験生にメッセージをいただけますか。

木村 やはり「ありのまま」でいてほしいと思っています。勉強も大変で、プレッシャーもあると思いますが、総合型選抜では「自分らしさ」が大切だと思うからです。東海大学は「良医」の育成を目標にしていますが、「良医」を自分なりに考えると、一人ひとりが持っている個性や、生徒・学生時代の活動を、患者さんのために生かせる医師だと思っています。ですから、勉強をしながらも、日々の生活のルーティーンは崩さず、自分らしくあってほしいと思います。

 

菅井 総合型選抜では活動報告を求められますから、勉強も重要ですが、それ以外の活動にもどんどん挑戦してほしいと思っています。挑戦することで自分の新しい能力に気づいたり、積極的な姿勢につながったりすることで、この入試の求める学生像に近づくのではないかと思うからです。また、最後の最後まで諦めないことも重要です。私の場合、試験の当日に風邪を引いて全く声が出なくなった状況で、話すことがメインの面接やオブザベーション評価に臨んだわけですが、それでも合格できました。ですから、決して希望を捨てずに頑張ってほしいと思います。

 

鈴木 いろいろなことに挑戦し、その体験を客観的に振り返っておくことも大切だと思います。失敗したら「なぜ失敗したのか」、記憶に残る体験だったら「なぜ記憶に残っているか」などを考え、言語化する作業をしておくことは、自分自身のためにもなるし、面接などでも生きてくるはずです。ですが、総合型選抜だけにこだわるのも良くないと思います。東海大学の場合は、ほかにも入試があるので、学科の勉強はしっかりやってほしいと思います。

──ありがとうございました。

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