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2023.07.14

【富士学院】 医学部を目指す受験生なら知っておきたい 医学部合格に役立つ知識と合格のポイント

医学部の志願者数自体はやや下げ止まり感があるものの、受験生の実数は減少しており、現実的には以前よりも合格しやすい状況が生まれている。また修学資金制度の拡充により、学費面の心配なく受験できる私立医学部も増えている。全国に直営10校舎を展開する医学部受験予備校大手の富士学院・坂本友寛理事長に、医学部入試の現状と医学部合格のポイントについて伺った。

医学部予備校 富士学院 理事長 坂本 友寛 氏 医学部予備校 富士学院
理事長 坂本 友寛 氏

医学部人気は手堅いものの、合格しやすい状況が続く

 少子化の影響を受けて、大学入試の志願者数は減り続けています。2023年度の大学入学共通テストの志願者数は、昨年度の53万367名から1万8000名近く減少し51万2581名になりました。現役生と浪人生の内訳を見ると、昨年度は現役生が84.7%、浪人生14.5%だったのに対して、今年度は現役生85.2%、浪人生14.0%と、浪人生の比率が減っているのが大きな特徴です。

 

 一方で、医学部志願者の状況を見ると、国公立医学部に関しては、昨年度2万2342名、今年度2万3510名ですから、1168名増加しています。より実数に近い前期試験の志願者数で見ても、873名と微増していることがわかります。

 

 私立医学部に関しても、昨年度9万269名、今年度9万4631名と4362名増加しています。ただし、この増加分の大半は、共通テスト利用選抜入試の志願者で、一般選抜の志願者数の伸びは1297名と、志願者増加のうちの3割にとどまっています。

 

 大学志願者数が減少するなかで微増傾向が見られる医学部には、やはり根強い人気があることがわかります。しかし特に私立では複数受験が増えているのが現状であり、受験者の実数自体は減っており、以前と比べ合格しやすくなっているのは間違いありません。

 

 実際、全国に10校舎ある私共富士学院でも、偏差値が50そこそこの生徒が多く医学部に合格していますし、偏差値60以下まで広げれば相当数の合格者がいます。これまでの感覚でいえば合格できなかった層までもが、現実に合格できる状況が生まれています。

「医師になる」という自覚と覚悟を促すための取り組みのひとつ「ゼミ生自立講座」

合格判定の厳正化で多浪生の合格も増加

 医学部入試をめぐる昨今の大きな変化として、もう一つ、医学部入試において女子受験生や多浪生が合格しやすくなったことが挙げられます。文部科学省の指導によって、女子受験生や多浪生に不利な採点ができなくなったことが最大の理由ですが、大学としても受験者の実数が減少するなかで優秀な受験生を確保するためには、成績を厳正に評価することが大切だと判断するようになってきたのだと思います。

 

 富士学院の合格者を例にとれば、これまでは5浪以上の多浪生が合格する大学はある程度限られていましたが、近年はどの大学にも満遍なく合格する傾向が見られます。昨年度の17浪生、今年度の14浪生の合格は極端な例としても、多浪生だからと合格を諦める必要はなくなってきているのは確かだと思います。

 

 冒頭で述べたように、近年は大学入試において浪人を避ける傾向が顕著になっており、医学部入試においても、浪人せず他学部に進学する生徒が増え、浪人生はかなり減っています。

 

 その背景には、ロシアによるウクライナ侵攻や、中国や北朝鮮も含めた安全保障問題や物価上昇などの社会不安も要因としてあるのだろうと思います。浪人生は、学校にも大学にも所属していない、ある意味不安定な立場ですので、どこかに身を置きたいと思う気持ちはよくわかります。

 

 しかしこうした状況がずっと続くわけではありませんし、目先ではなく10年後や20年後を見据えた時に医師になった人生と、それとは違う人生では大きな違いや差が出てきます。特に本当に医師になりたいと思うのであれば、浪人したからといって医学部を諦めるのは、もったいないと思います。その理由を二つの観点から説明します。

医学部現役合格をめざすサポートの一環として、全国の高校と連携して実施される校内医学部入試セミナー

医学部入試はきちんと勉強すれば合格できる

 一つは、医学部合格は世の中の多くの人が考えているより難しくはないということです。受験偏差値でいえば、ある程度のレベルは必要ですが、大学によってもかなり差があるため、大学を選ばず大学との相性を含めて「医学部合格」というくくりでいえば、それほど高い学力は必要ないといえます。

 

 もちろん、入試は受験科目の総合点で決まるわけですから、わからない部分をそのままにしていたり、苦手科目があったりすると、それが足を引っ張って合格点に達しないということはよくありえます。しかし、わからないところをそのままにせず、質問して理解できるまで頑張るといった日常的な努力を重ねていけば、苦手意識も少しずつ払拭できていくでしょうし、点数も上がっていくはずです。こうした当たり前の勉強を続けていれば、医学部合格はそれほど難しい目標ではないのです。

 

 仮に現役合格ができなくても、きちんとした勉強ができる環境や質問ができる環境に身をおいて、もう一度挑戦すれば医学部に合格できるチャンスがあるにも関わらず、現役合格できなかったといって他学部に進学するのは、もったいないと思います。

 

 医学部合格には、必要以上に高い偏差値というよりも、大学ごとの最新の入試情報を含めて、きちんとした勉強ができる環境があることが一番大事であり大切だということを、改めて強調しておきたいと思います。

各科目の講師陣と担任講師、担当職員と校舎長がチームとして生徒情報を共有し、出願先の選定など連携し合いながら生徒を指導

私立医学部であっても、実質学費をゼロにできる道も

 医学部進学を諦めるもう一つの大きな要因は、私立医学部の高い学費があると思います。ただ、最近の私立医学部は、都道府県と連携した修学資金制度や特待生制度を設けており、国公立と遜色ない、あるいは国公立よりも安く通えるケースも出てきました。

 

 たとえば、東北医科薬科大学医学部の一般選抜試験修学資金枠A方式では、6年間で3000万円貸与されます。学費総額が3400万円ですから、6年間の実質学費は400万円と国公立と変わりません。また貸与額2600万〜の修学資金枠B方式では、実質学費は6年間で800万円以内、年額150万円以下ですから、それほど高額なわけではありません。

 

 もちろん、宮城県あるいは東北5県で一定期間医師として務める義務はありますが、それをクリアすれば返還義務は免除されます。しかもA方式は35名、B方式は20名ですから、募集定員100名の半数以上がこうした修学資金制度を受けられるのです。

 

 また、杏林大学医学部の場合、東京都地域枠選抜(10名)に合格すると、6年間の学費が全額免除される上に生活費として6年間で720万円が支給されますし、新潟県地域枠(2名)でも6年間の学費が全額免除になります。

 

 こうした枠には、国公立志望者を含め多くの志願者が集まりますが、私立医学部の場合は受験科目を4科目に絞ることができますし、出題傾向にそれぞれ特色があるため、相性も含めてきちんと対策を取れば合格の可能性も増えてくるのです。ここでは紙面の関係でその他の情報は載せていませんが、たくさんの大学で学費が抑えられる様々な制度を設けていますので、ぜひ調べてみてください。

一人ひとりに仕切り板のある自習室。頑張っている仲間の姿も見えて勉強の励みにもなる

出願先の選定と対策が医学部合格のポイント

 ここまでは医学部受験をめぐる状況と、合格のチャンスが広がっていることをお伝えしてきました。最後に医学部合格のポイントについて簡潔にまとめてみたいと思います。

 

 医学部入試はどこに出願するのかが一番大きな鍵となります。さらに医学部入試は入学試験と同時に就職試験の側面もありますから、医師になる自覚と覚悟も求められます。

 

 出願先を決めるためには、その大学の出題傾向の詳細な分析と、受験生の科目ごとの特性や能力とのマッチングが必要です。また、医師になる自覚や覚悟は面接などで問われますが、大学ごとで面接のやり方や評価基準も異なるので、その情報も必要です。

 

 こうしたことを総合すれば、医学部合格に必要なのは、合格に必要な様々な情報と、その情報に従って学習できる環境だということが言えます。生徒一人ひとりと向き合って、最適な出願先を提示してくれ、その出願先に最もふさわしい学習対策ができる環境があれば、逆転合格も夢ではありません。ぜひ、そういう環境に身を置き、医学部合格への一歩を踏み出してください。

※本記事は『日経ビジネス 特別版 SUMMER.2023〈メディカルストーリー 教育特別号〉(日経BP社)』に掲載されたものです。

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