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医学部に強い中高

2017.02.03

暁星中学・高等学校

キリスト教に根ざした「宗教」と「多言語教育」 徹底した全人教育で希望進路を実現

暁星中学・高等学校 暁星中学・高等学校

「深い教養」と「高い倫理観」を身につけ、広い視野を持った指導者を育成する教育を130年近く続けている暁星中学・高等学校。他者への奉仕や社会への貢献を最終目標とする進路指導によって、医師を目指す生徒が多いことで知られる。 医師への道を歩み始めた卒業生・星合亮尚(ほしあい・あきひさ)さんと、担任だった園田陽一教諭に、医学部に進学するまでの経緯や、暁星での日々について語り合ってもらった。

※本記事は『日経BPムック2017/日経メディカル「医学部進学ガイド」 』(2016年10月発売)に掲載されたものです。


慶應義塾大学 医学部1年

星合 亮尚さん

慶應義塾大学 医学部1年 星合 亮尚さん

患者だけでなく 家族をも幸せにする 医師の現実の姿に感動

園田 第一志望校だった慶應義塾大学医学部への入学おめでとう。なぜ医師になろうと思ったのか、改めて聞かせてもらおうかな。

星合 周囲に医学部進学希望者が多い環境だったこともあり、中学2~3年の頃から、医師という職業に興味を持ちはじめました。仕事内容を調べたり、医療系ドラマを見たりしているうちに、だんだん志望が固まっていった感じです。

園田 ご家族は進学先や将来について何か仰っていたの?

星合 サラリーマン家庭でしたし、自分の好きな大学や職業を選べばいいという感じでした。ただ、高校1年の頃に家族が入院したことがあり、そこで医師の違った一面を見たことで、医師に対する考え方が根本的に変わりました。

園田 どんな風に変わったの?

星合 医師というと、高度な手技などどうしても治療行為に関心が集まりがちで、医師と患者との関係に思いを巡らすことがなかなかできません。しかし、自分が患者側として医師と関わったことで、医師は、患者を助けるだけでなく、治療を通して患者の家族全員を笑顔にできる職業なのだと実感したのです。改めて素晴らしい職業であることを認識し、患者との関わりを大切にする、患者に信頼される医師を目指そうと決意しました。

園田 進学担当をしていた僕のところに相談にきたのは、その頃だったんだね。

星合 はい。高1の終わり頃だったと思います。

園田 最初の印象が強烈だったので、よく覚えているよ。だって最初に聞いてきたのが、学費だったから。そして全部調べた上で、家に持ち帰り、家族会議をしたって言っていたね。

星合 はい。それで学費が比較的安い私立のトップ3校か、国公立大学以外は学費を出せないと言われたんです。

園田 医学部志望だと聞いたときには、正直、面食らったよ。中学3年から数学を教えているけど、成績は下位だったからね。ただ、自分から出たモチベーションを持っている生徒の方が、成績が断然伸びるのは知っていたから、きっと伸びるんだろうと思っていた。ただ、東京医科歯科大学とのダブル合格だったので、本当に驚いたよ。


暁星中学・高等学校数学科教諭

園田 陽一先生

暁星中学・高等学校数学科教諭  園田 陽一先生

全員で切磋琢磨できる 暁星の環境が 常に刺激を与えてくれた。

園田 どんな勉強をして合格できたのか聞かせてもらえるかな?

星合 先生が紹介してくれた参考書や勉強法が中心です。まずは基礎力を身につけるため、学校の勉強に全力を尽くし、定期テストで高得点をとることを最大の目標にしていました。どの先生方も、授業で扱った内容はもちろん、参考書や塾のテキストについても、質問にいけば必ず答えてくれたので、とても助かりました。

園田 高校2年の前半は、本当によく質問にきたよね。いつもいつも、これでもかというほど質問してきたのに、後半になるとパタッと質問に来なくなった。

星合 基礎が身についてきたので、解法を見て理解できるようになったのだと思います。基礎力がつくと成績が上がってくるので自信になり、勉強を持続することができました。また、同じ目標を持っている、自分より成績のいい同級生を目標にして、常に彼についていこうとしていました。友人たちに勉強法を聞きながら、いいところを取り入れたりもしました。暁星には、みんなで向上していこうという雰囲気があり、受験期になってもピリピリした雰囲気は皆無でした。全員で切磋琢磨できる暁星の環境に心から感謝しています。

園田 スランプはあったの?

星合 高校3年の夏の模試の成績が悪く、原因を考えたところ、ケアレスミスが多いことがわかりました。しかし、たまたまミスしただけで、運が悪かったのだと片付けてしまったのです。すると、力試しに受験した10月の防衛医大の入試でも惨敗してしまいました。ここで初めて、問題を放置したままにしておくと致命傷になることに気づいたのです。それからは、ケアレスミスを無くす、あるいは減らすために、受験期までは、どんなに時間がかかっても正確な解き方をするように常に心がけました。

 こうして的確な解法を実行するようにしていると、だんだん時間が短縮できるようになりました。しかも、問題を見ただけで、どこがポイントなのか、出題者の意図はどこにあるのかも読み取れるようになってきます。センター試験でも、以前ならケアレスミスをしていた部分も計算が合うようになり、このやり方で間違っていなかったと思えた瞬間を覚えています。

ベッドサイドに来て 患者の話を傾聴できる 医師を目指して

園田 まだ、本格的な医学の勉強はしていないと思うけど、暁星での学びの中で、医師という職業に就く上で役立ったと思えることはあった?

星合 宗教の授業ですね。キリスト教の考え方を日常に当てはめて考えていくのですが、あるとき学んだ「傾聴」という言葉が今でも印象に残っています。いちばん大切な愛は、自分の意見は差し挟まず、ただただ相手の話を聴いてあげることだということでした。宗教の授業を通じて得た学びを、現在では患者さんとの関係として、意識的に捉えるようになっています。このように、目の前の問題についてじっくりと突き詰めて考えるという習慣が、受験勉強を進めていく糧になったと思っています。

園田 よくサッカーもしていたね。

星合 サッカーは暁星にとって、みんなが一つになれる共通のスポーツだと思います。体育の授業は高校3年でも週2回あり、そこでサッカーをすることが、受験勉強のストレスを発散する場になっていたことは確かですし、受験でも何でもみんなの団結力を強めてくれていたと感じます。スポーツや別の学問分野に進む友人たちとサッカーを通じて交流し、異なる立場からの意見交換ができたことは、将来、医療人との人間関係が濃くなっていくなかで、貴重な財産になってくれると信じています。

園田 医学部で学ぶようになって、将来の医師像は変化したのかな。

星合 患者から信頼される医師になりたいという願いは、基本的には変わっていません。しかし、EEPと呼ばれる医療現場を体験するプログラムに参加したとき、看護師や介護士の方にかけていただいた「患者のベッドに来て、話しかけてくれるお医者さんになってね」という声に、信頼される医師になるための具体的な方法を示されたような気がしました。現代の医師が非常に多忙なことも、このプログラムで理解できましたが、だからこそ、患者さんの話を傾聴できる医師になりたいとの思いがいっそう強くなりました。

キリスト教の精神は、生徒の人格形成はもちろん、進路選択にも大きな影響を与えている キリスト教の精神は、生徒の人格形成はもちろん、進路選択にも大きな影響を与えている

なりたい自分を見つけ 勉強の必要性を しっかり認識してほしい

園田 最後に、後輩たちに何かメッセージを。

星合 いちばんやってほしいことは、自分のやりたいことを見つけてほしいということです。勉強しない言い訳に、「こんな勉強して何の役に立つのだ」というものがあります。確かに今勉強している内容全てが直接役立つ職業は少ないかもしれません。でも、自分のやりたい職業が明確ならば、その職業に就くために学ぶ大学に入学するための、必要な勉強だと考えることができるはずです。

 その考え方さえ身につければ、あとは、現状を冷静に見つめ、到達しなければならない地点までに、何がどれだけ足りないかをしっかり把握し、必要なことをやっていけばいいのです。暁星には、それを支援してくれる先生方や友人たちがたくさんいるはずです。

< 電話でのお問合せはこちら >

TEL. 03-3262-3291

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