医学部に強い中高
2022.07.21
【暁星中学・高等学校】キリスト教に基づく 人間教育と個別指導が 医学部進学をサポート
キリスト教に基づく
人間教育と個別指導が
医学部進学をサポート
【写真左】 東京慈恵会医科大学医学部1年 小澤 克明 さん
【写真右】 筑波大学医学群1年 池田 周平 さん
特色ある教育に
惹きつけられた
――数ある私立中高一貫校のなかで、どうして暁星を選んだのですか。
小澤 私は家族がキリスト教を信じていたため、プロテスタント系の幼稚園に通っていました。そのため、キリスト教の理念に基づいた教育、とりわけ宗教の授業があることや、月に1回ミサにあずかることなどに魅力を感じて、暁星小学校を選びました。詰め襟の制服がかっこいいと感じたことも、暁星を選ぶきっかけのひとつです。私も暁星時代に洗礼を受け、家族全員がキリスト教の信者になりました。
池田 私は中2からの編入組です。小6から中1までフランス語圏の国の学校に通っていました。帰国することになり、せっかく身につけたフランス語を生かせる学校はないかと探したところ、暁星には編入試験にフランス語があり、高い大学進学実績にも惹かれ、受験することにしました。
――いつ頃からどんなきっかけで医師をめざすようになったのですか。
小澤 医師の家系に生まれ、しかも全員が東京慈恵会医科大学の出身だったこともあり、医師という職業は幼い頃からとても身近に感じていました。両親から医師になることを強制されたわけではありませんが、母が入院したときに献身的に尽くしてくださった先生の姿を見て、小学生の頃から「やはり医師がいいな」と思うようにはなっていました。高校時代に一時、教員をめざそうとしたこともありましたが、暁星の先生から医師に向いていると言われたこともあり、最終的に医学部志望に決めました。
池田 幼少期に病弱だったこともあり、懸命に治療してくださった先生に憧れを抱いたことはありました。とはいっても、中学の頃はとくに医師をめざす気はありませんでした。理系の科目が得意だったため、東大の理科系か東工大を目標にしていましたが、同級生の多くが医師をめざしていることもあり、手に職をつけることで将来的にも安心して生活できると思い、医学部をめざすことにしました。難易度が高いことは知っていましたが、それは難関大学ならどこでも同じですから、頑張って勉強しようと決意しました。
個別指導に近い授業と
仲間の励ましが支えに
――医学部受験を突破するのに、暁星のどんな教育が役立ったと感じていますか。
小澤 高3になると、ほぼ演習の授業になりますが、受講者の少ない生物では、先生が生徒一人ひとりに対して、それぞれの苦手な部分に合わせた入試問題をまとめた問題集を作ってくださり、個別指導に近い形で力をつけることができました。また数学では、2コマ連続の90分で、本番さながらの緊張感を味わいながら入試問題を解く演習があり、こうした授業を通して高3の1年間でかなり力を伸ばせた印象があります。
池田 履修者の多い物理は、ふだんの授業ではそうした個別対応は難しいのですが、その分、夏期講習では生徒の要望に応じた分野を集中的に扱ってくれました。私は高1で第一外国語をフランス語から英語に切り換えたのですが、高校3年間で医学部入試レベルまで持っていけたのは、学校の英語の授業で語彙や文法を日々積み重ねられたことが大きいと思っています。また、筑波大学の推薦入試を受けたのですが、面接対策に不安を感じていました。しかし、ちょうどそのタイミングで、校内で予備校の面接対策講座を受けることができました。そういうきめ細かな対応により大きな効果がありました。
――医師をめざすうえで、暁星の環境はいかがですか。
小澤 高3になると部活がなくなるため、自分の勉強時間を確保できる点もよかったと思っています。医師の仕事は自学自習の連続ですが、自らの学びを自分で組み立てる時間を与えてくれたことはありがたいと感じました。
池田 医学部受験では、特有の対策が必要になりますが、医学部志望者が多いため、そういう情報がまわりの友人から簡単に入手できた環境には感謝しています。私と同じ推薦入試で筑波大学に進学している先輩もいるため、一般的には情報の少ない推薦入試に関する情報を入手できる点も強みだと思います。
小澤 まわりに同じ目標を持つ友人がたくさんいるというのは確かに励みになりました。担任の先生との面談も豊富で、的確なアドバイスをいただけるため、それほど大きく落ち込むことなく受験生活を乗り切ることができました。
池田 友人との励まし合いはやはり大きな力になりました。男子校ですから、互いに模試の結果を見せ合ってはややぶしつけな言葉を交わすのですが、それが「よし、負けるものか」と互いの発奮材料になり、成績を伸ばしていくことができました。
「宗教の時間」で
医の倫理に触れられた
――暁星には「宗教」の授業がありますね。
小澤 キリスト教の精神について学ぶ授業ですが、出生前診断やダウン症などの映像を見て、感想を書くような授業も何回かありました。医学部入試では二次試験対策はどうしても後回しになりがちですが、「宗教の時間」を通して二次試験対策ができたように思います。実際、面接試験で「何か気になる医療ニュースはありますか」と聞かれ、授業で扱ったテーマについてスムーズに話すことができました。
池田 同感です。宗教の時間で扱ったテーマは、医の倫理に関するものが多いので、担当の先生が工夫してくださっているのかもしれません。私も面接でその話題に言及するなど、大いに役立てることができました。
医学部をめざすのに
最適な環境がある
――将来はどんな医師になりたいと思っていますか。
小澤 話を丁寧に聞くなど、患者さんに寄り添った治療ができる医師になりたいと思っています。そのうえで、趣味の釣りも楽しむことができるような、オンとオフをしっかり切り変えられる医師をめざしたいですね。歳の離れた弟がいることもあり、現在は、病気で苦しんでいる子どもたちが健やかに成長できるような手助けができる小児科に興味があります。
池田 医学部に進学しなければ、生物系の学科に進んで分子生物学などを研究したいと思っていました。生物としての人間に興味があるため、病気の本質を解明していく探偵のような側面を持つ病理医に魅力を感じています。しっかり勉強して、的確な診断につなげられる病理医をめざしたいと思っています。
――最後に、お二人が考える暁星の魅力を教えていただけますか。
小澤 暁星は何といっても制服がかっこいいと思います(笑)。また、カトリックの教えを深く学べたことは、大きな収穫でした。また、医学部をめざす仲間が多いため、そういう仲間たちと切磋琢磨できる環境があるからこそ、医学部受験という高い壁を乗り越えることができるのだと思っています。
池田 多くの先輩たちが医学部に進学しており、医学部受験に関する情報が豊富で、医学部に特化した受験対策ができるという点で、暁星は医学部をめざすのに最適な学校であることは間違いないと思っています。暁星には「迷ったら医学部」といった雰囲気があり、私のように医師と無関係な家庭で育ったとしても、医学部進学が特別な進路ではなく、選択肢のひとつとして考えられるようになると思います。