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2019.03.05

【医歯専門予備校 メルリックス学院】最後まであきらめない本番までの1週間は1年間の集大成

最後まであきらめない本番までの1週間は1年間の集大成

受験を間近に控えたこの時期は、精神的に最も辛い時期だろう。今まで自分が努力してきたことを振り返り、自信を持って本番に臨んで欲しい。トータルアドバイザーとして長年にわたり、生徒に寄り添ってきたメルリックス学院の鈴村倫衣・新学院長が、勉強の仕方やメンタルの保ち方など、役立つノウハウを伝授します。

※本記事は『日経メディカル/日経ビジネス/日経トップリーダー 特別版 WINTER.2019年1月〈メディカルストーリー 入試特別号〉(日経BP社)』に掲載されたものです。

本番までにすべきこと

今から本番まで、どんな勉強をしたらいいですか?

 今までやったことの復習につきます。と答えると、受験生は物足りなさそうな顔をするのですが、1週間で学力を急激に伸ばす魔法のような特効薬は、残念ながらありません。
 フィギュアスケートで4回転を飛んだことがないのに、試合直前になってチャレンジする選手はいません。3回転に磨きをかけると思います。勉強も同様です。この1年間でやってきたことを見直しましょう。たとえば、数学の問題集の何度も間違ったところをやってみるとか、自分で作った理科の暗記ノートをもう一度見直すのもいいでしょう。
 実はきちんと1年間コツコツ積み上げてきた人は、自分に何が足りないのかわかっています。あと1週間で何をしたらいいのかという答えは、1年間何をやってきたかという中にあります。やることは無限にある。その中から合格に近づくためには何をやればいいか、すでに答えが出ているんです。
 どうしてもわからない人は過去問に当たってください。採点して終わりでは無く、必ず感想を記すこと。たとえば英語は長文で時間を使いすぎたとか、理科は時間の配分を考え直した方がいいなど、自分なりの振り返りノートに具体的に記しましょう。
 生活も受験モードに切り替えます。朝9時からフルに頭を働かせるには何時に起きたらいいのか、また自分にとって最適な睡眠時間は何時間かを判断して規則正しい生活をおくるようにします。勉強も追い込みに入りますが、体調に留意して無理をしないようにしてください。

入試が近づくにつれて、不安が募ります。

 本校の生徒に聞くと、勉強をしているときは不安を忘れられると言います。目の前のやるべきことをやれば、不安な気持ちを乗り越えられると思います。今まで自分が勉強してきた参考書やノートを積み重ねてみましょう。この1年間の努力の結晶です。自分はこれだけやったんだと、自信を持ってください。
 往々にして受験生は「夏にサボり気味だった」「努力が足りなかった」など、マイナスの方に目を向けがちです。もっと前だったら、それもいいでしょう。「こんなんじゃだめだ」と自分を鼓舞する材料になります。でも入試直前に、そう思う必要はありません。今はこの1年間やってきたプラスの方に目を向け、自分を信じて本番に向かってください。

あがり症なので、入試本番で力を出せるか自信がありません。

 受験生誰しも、どうしても不安はぬぐい去れないものです。大切なのは、頭の切り替えです。1科目ごとに前のテストを忘れて、次の試験に臨めればベストです。最初の科目のできが悪いと、そのまま崩れてしまう受験生も多いです。
 ある男子生徒は数学が得意で自信満々で試験に臨んだのですが、いざ本番になると難しくて歯が立たず、思うように解答できませんでした。よほどくやしかったのか、休み時間に私に電話をしてきて号泣しました。それでなんとか次の試験に向かったところ、無事合格しました。泣くことで気持ちの切り替えができたのでしょう。感情を発散するのは、気持ちをリフレッシュする手段のひとつです。私に電話をくれた彼のように、信頼できる友だちーただし受験生でない方がいいですねーや、親、先生などに電話をかけるという方法もあります。
 過去のうまくいった体験や、最近嬉しかったことなどの良い状態を思い出すと、体の緊張が緩んでリラックスすることができます。私自身も仕事で様々な場面に遭遇するので、心理学を学んだり瞑想をしたりと自分なりに工夫しています。メンタルをコントロールする簡単な方法をまとめた冊子をお配りしているので、ご希望の方にはお送りします。

常に医学部と直接やり取りをして最新の入試情報を分析。その生徒に合った受験校を一人ひとりアドバイス 常に医学部と直接やり取りをして最新の入試情報を分析。その生徒に合った受験校を一人ひとりアドバイス

生徒と担任が月1回定期的に面談を行い、現在の学習状況を確認し、これまでの反省と今後の課題を話し合う 生徒と担任が月1回定期的に面談を行い、現在の学習状況を確認し、これまでの反省と今後の課題を話し合う

保護者のスタンスは?

試験の結果を聞いても「別に」と、親には答えてくれません。

 私自身は生徒に「どうだった?」と聞くことはないです。受験生の保護者、特にお母様はわが子のために何かしたい、力になりたいと思っています。その気持ちから発するのだと思うのですが、残念ながら逆効果になることがあります。受験生は試験の帰り道で、親の「どうだった?」という質問に対して、答を考えています。どういえばうるさく言われず、穏便に済ませられるのか。また、子どもの答のなかには、親に心配を掛けまいとする嘘も入っています。話したい時は、子どもは自ら話して来ます。それを待つことです。
 でもあまり無関心だと思われるのもよくありません。私の場合は「今日はそんなに寒くないのにマフラーしてるんだ」「今日はいつものリュックじゃないね」など、試験のことではなく、周辺のことからさりげなく話題に入っていきます。『前者は風邪を引いているんじゃないの』という心配の、後者は『あなたのことはいつも見守っているよ』というメッセージとして伝わればいいなと思っています。その何気ない会話が安心感となって、試験のことを話すきっかけになることもあります。「どうだった?」と聞く前に一工夫欲しいですね。そして子どもが話し始めたら「だからあの時こう言ったでしょう」と説教したくなってもこらえて、ただ黙って聞いてあげてください。

この時期に親がやるべきことは?

 子どもはいろいろなことから、メッセージを受け取っています。おいしいご飯もそのひとつです。私の話ですが、中学校時代に毎日お弁当を作ってくれた母は、特別な事があるときには、好物のおかずを入れてくれました。それが入っていると、「がんばれって応援しているんだな」と心強く思ったものです。そんな風に、子どもと通じるいろいろなチャンネルを用意しておけば良いと思います。距離感をとりつつ、親ができる方法で見守ってあげてください。

受験本番の時に、サポートできることはありますか?

 大切な本番の日に限って、往々にして不測の事態が起こるものです。人間、なかなか完璧に事を運ぶのは難しい。トラブルが生じたときの、解決方法をサポートしてはいかがでしょうか。子どもには思い至らない、経験豊かな大人の智恵の出番です。たとえば時計が止まった時の為に予備を持って行く、電車が遅延したときのためにほかの経路を調べておく、天気予報で雪の予報なら遠方の試験会場は前日にホテルを予約しておくなど、アフターフォローの方法を押さえておくこと。本番で戦うのは子どもで、それをサポートする参謀役のイメージです。
 遠方ならばホテルやチケットの手配も必要ですが、予備校スタッフが代行することもできます。繊細なお子さんなら受験生に通じている経験豊かなホテルを紹介できます。不安な場合はご相談ください。

後期試験のとらえ方

倍率が高く、受けても合格する気になれません。

 残念ながら前期試験で結果がでなかった生徒から、後期はうけるべきかどうかよく相談を受けます。その答えは「受けましょう」、そのひと言につきます。定員が少なく倍率が高いことを問題にしますが、試験を受けるのは、前期に失敗したあなたと同じ立場の受験生です。いうなればどんぐりの背比べで、恐るるに足りません。倍率と受験者層を考えれば、難易度は前期とほぼ同じと考えていいでしょう。倍率のことは忘れて、チャレンジしてみましょう。もし後期も結果が出ずに浪人することになっても、がんばった努力は来年に必ず生きてきます。前期であきらめて無為に過ごすか、最後まで粘るかで翌年のスタートが違います。あきらめずにがんばれと言いたいですね。

前期終了から後期試験までの勉強の仕方は?

 前期から後期までは1ケ月近くありますから、相当いろいろなことができます。前期と後期は試験の出題傾向も、難易度もだいたい似たようなものです。前期の失敗で、自分に何が足りないかすでに気がついているはずです。それをとことんやりましょう。たとえば自分は化学の計算問題ができないとか、英語の長文を読むのが遅いとか、弱点がわかってきます。大学によって出題形式は違いますが、通底して試される学力にそう変わりはありません。自分に何が足りなかったのか、課題を見つけて全力であたりましょう。

これからの医学部入試

将来医学部をめざしています。どんな勉強をしたらいいですか?

 これから受験を迎える生徒は、2020年から大学センター試験に変わって導入される新テストが気になることと思います。私立大医学部は今のところ、新テストがどれだけ使えるか様子見の段階です。昨年2018年は医学部の不適切入試問題が大きく騒がれましたが、今後は入試要項にどのような学生を求めているかが、より明確に記載されるようになるでしょう。情報に振り回されずに、基本となる高校の勉強をしっかりやっておきましょう。私立医学部を志望するのであれば、特に英語、数学をきちんとやっておくこと。国公立医学部を狙うのであれば、加えて国語と地歴公民も含めて全教科をまんべんなく勉強しておく。英語に関しては、外部検定試験の利用が進むと思われますので、機会があれば受けてもいいでしょう。
  実は理系科目にも文章読解力、いわゆる国語力が必要です。私立医学部は国語が要らないからといっておろそかにしてはいけません。日頃から様々な文章に触れてください。また、これから入試がどう動いていくのかについては、本学院からも情報を発信していきますので、利用していただきたいと思います。
 最後に、クラブ活動や委員会活動を熱心に行ったり、学外活動に参加したり、いろいろな年齢の人とコミュニケーションを取ることは、医師の資質を育てるために大切です。積極的に世界を広げてください。


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TEL. 0120-142-760


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