2019年新たに大阪校と東京にも
もう1校舎開校されたんですね
はい、2019年の1月に2校同時に新規開校しました。大阪校は関西地区初の出校で、東京十条校は、御茶ノ水校に続く東京地区2校目として出校しました。
大阪校については、ここ数年問い合わせが多かったのですが、ようやくその期待に応えることができました。十条校は御茶ノ水校の生徒がいっぱいになってきたので、都心から少し離れた所に、地方からの生徒も安心して勉強できる立地を考えて十条に開校しました。
両校共、一年目から予定通り生徒も集まり、もう既に推薦入試での合格者も出ています。
改めて2019年度入試の結果を
教えていただけますか?
2019年度は国公立・私立を含め、のべで284名の医学部医学科の合格者を出しています。合格者実数は173名で、医学部医学科の専願者が333名おりましたので、合格率としては52%で、今年もお預かりした生徒の2人に1人以上の医学部医学科への進学者を出すことができました。国公立に関しては、専願者39名中、33名が国公立医学部医学科に合格しており、合格率は85%です。2019年度入試も高い合格率を維持することができました。現在2020年度の推薦入試や編入試験の結果も続々と判明していますが、12月12日現在で既に67名の合格者が出ています。この実績は2019年度の同時期と比べ、大幅なアップとなっています。
選抜制をとらずに実数で生徒の2人に1人の医学部合格者を出し続けている、その要因について教えていただけますか?
はい、その前に合格実績の出し方について少しお話しをしてもよろしいですか。塾や予備校を検討する上で「合格実績」というのは大きなウェイトを占めると思いますので、ぜひ知っておいてほしいことがあります。それは、合格実績については塾や予備校が出している表面的な数字だけではなく、その内訳や出し方についても、しっかりと見てほしいということです。たとえば個人指導専門の塾や予備校が出している実績には、指導した科目が1科目だけだったり、期間が夏休みの数日間だったりのケースも当然あり、年間を通し受験科目を全て指導してきたケースとは、その重みが全く違ってきます。大事なのは、その塾や予備校がどれだけ合格に貢献できたかであり、表面的な実績だけでは図れないことも、ぜひご理解いただきたいと思います。
また合格実績の出し方についても、よく見てください。一次合格者を合格者として出しているケースや、のべ人数だけを出しているケースもよくみかけます。一次合格者は二次試験受験資格者であり、当然合格者としてはカウントできません。のべ人数も、学力の高い生徒は一人で複数大学の合格を果たすので、のべ人数では本当の実績は解りづらくなります。また先ほどお話しのあった選抜制についても、入学時に特待生や試験をして選抜した生徒がたくさんいるケースと、厳しいところからスタートする生徒が多いケースとでは、当然結果は違ってきます。そういう部分も含め、ぜひ「合格実績」を見てほしいと思います。
質問の答えですが、富士学院では国公立医学部コースを除き、全てのコースで選抜制は行っていません。つまり今の学力はさておき、医学部医学科を目指す生徒は原則全員お預かりしています。なので入学時の偏差値が40台や50台前半の生徒もたくさんいます。但し、入学に際し、1つだけ条件があります。それは〝医学部を目指し真面目に頑張ること〟条件はこれだけです。
そういうスタートから始まり、実数で毎年2人に1人以上の合格者を出すことができている一番の要因は、富士学院の学習環境にあると思います。人は環境で本当に変わります。「生徒が勉強を頑張れる環境」、合格を勝ち取れる「医学部受験の学習環境」、富士学院はこうした学習環境をつくることを一番に考え、講師・職員全員でその環境づくりを行っています。詳しい学習環境については、ここでは紙面が限られるため話せませんが、ぜひ富士学院のパンフレットや合格体験記&保護者メッセージ集をご覧いただきたいと思います。特に合格体験記には、多くの生徒達が富士学院の学習環境について書いてくれています。ぜひ読んで頂ければと思います。また直接校舎まで足を運んでいただき、実際に学院をご覧いただくこともできますので、よろしくお願いします。
ここからは富士学院独自の取り組みについてお聞きしたいと思います。
まず大学のオープンキャンパスの中で、入試対策講座を担当されていると聞いていますが、詳しくお話しいだけますか?
はい、2018年は久留米大学医学部のオープンキャンパスの中で、久留米大学の入試問題の解説を含めた入試対策講座を行い、とても好評だったということで、2019年も大学からご依頼があり、9月1日(日)に行われたオープンキャンパスの中の一つのプログラムとして、入試対策講座を富士学院の精鋭講師陣で行いました。
また、2019年は新たに藤田医科大学からのご依頼もあり、6月1日(土)の春のオープンキャンパスと8月3日(土)、8月17日(土)に行われた夏のオープンキャンパスの中で、同じく入試問題の解説を含む入試対策講座を行いました。両大学共にたくさんの受験生や保護者の方がご参加され、大変好評を博した対策講座になったと思います。
全国の進学校とも様々な取り組みを行っているとお聞きしていますが
はい、まず富士学院の校舎単位で行っているのが「医学部入試研究会」という勉強会です。この勉強会には全国の100校を超える進学校が参加をしており、高校の進路指導の先生方と共に医学部合格のための様々な勉強会と情報交換会を行っています。また各学校からのご依頼を受け、中・高生を対象とした「校内医学部入試セミナー」を全国の進学校で行っています。2019年は、約40校の進学校で、それぞれ入試セミナーを行いました。
セミナーでは、医学部入試の現状とこれからの展望、また合格のポイントなどを成績開示データを用いて詳しく解説を行っています。また「医師になるということ」のテーマで講演も行っており、医師の仕事のすばらしさや、やりがい、またきびしさを含め、今の勉強が全てこれからの将来につながっていくことなどの話を通じ、生徒の勉強に対する意識付けなども行っています。終了後に生徒の皆さんから入試セミナーの感想文を書いてもらっていますが、医学部入試の情報に対する感謝と共に決意の感想もたくさんもらいます。最近では保護者の参加や教職員の参加も多くなっており、いずれも高い評価を受けています。
最後に医学部を目指す方々や保護者の方へのメッセージをお願いします
まずお伝えしたいのが、今確実に医学部受験者は少しずつですが減ってきており、今後は以前より合格のチャンスは間違いなく広がってきます。ですので、最後まで諦めずに頑張り続けることがとても大事になります。ただ合格のチャンスが広がるといっても、まだ医学部受験が難関であることに変わりはないので、この中でも話をしてきたように、どういう環境で勉強をするのかが、とても大事になってきます。また合格を勝ち取る上で〝大学がどうやって合否を判断しているのか〟、入試の仕組みを知らずして入試は戦えません。入試の方式も一般入試から推薦入試、AO入試、編入試験など様々な入試があり、特に推薦入試は出願資格が限られ、一般入試と比べ受験者が少ないため合格のチャンスが広がることになります。
あと意識してほしいのは、医学部入試は将来の医師になる人を選ぶ試験でもあるということです。そのため医師としての様々な資質を面接試験や小論文試験などを通して見られ、合否にも当然大きく影響してきます。医療の現場が変わることにより、求められる人材像も変わってきており、今の医学部受験は〝学力だけあっても合格できない〟これが現実なのです。
また大学毎で、入試問題のレベルや出題の範囲や傾向が違うだけではなく、面接試験の方法や評価の仕方も違ってきます。大学により個人面接や、集団面接やグループ討論などがあり、評価の仕方も点数制や段階評価など、大学毎で違ってきます。これらの情報を知ると知らないのでは状況が大きく変わってきます。
先程、環境がとても大事だという話をしましたが、まさしくそういう情報が取れる環境があるのか、又そういった情報を生徒一人ひとりにしっかりと生かせる環境があるのか等を含め、塾や予備校の選択はとても大事であり、まさしく合否に関わる大事な選択となります。塾や予備校を選ぶ場合には、慎重に考え、納得できる塾・予備校選択をすべきです。そのためにもできる限り多くの塾や予備校を直接見学することをオススメします。当然、富士学院にも一度足をお運びください。
ご自身やお父様、お母様の目からしっかりと塾や予備校を見ていただき、将来に関わってくる大事な選択として、間違いのない選択をぜひ行ってほしいと願っています。
※本記事は『日経メディカル/日経ビジネス/日経トップリーダー 特別版 WINTER.2020年1月〈メディカルストーリー 入試特別号〉(日経BP社)』に掲載されたものです。