「日本初!授業をしない塾」を声高にアピールする不思議な予備校、武田塾。6年前から全国展開を開始し、現在270校舎を運営している。理系・文系全般の受験生を対象とし、低い学力だった生徒を偏差値の高い大学に合格させる「逆転合格」を数多く実現している。その武田塾が、医学部志望者を対象として開設したのが、武田塾医進館だ。この医進館でも、高校や他の予備校で合格不可能と判定された医学部に合格する生徒が続々と誕生し、注目を集めている。
「授業をしない塾」とは一体何か? なぜ武田塾は、「逆転合格」を数多く実現しているのか? なぜ武田塾医進館は、「奇跡の医学部合格」を実現しているのか?
まず、武田塾の林 尚弘塾長に武田塾の秘密を語ってもらった。
なぜ武田塾は、「逆転合格」を数多く実現しているのか?
「わかる」「やってみる」
「できる」の3ステップ
学力を高め、偏差値を上げるためには「わかる」「やってみる」「できる」の3ステップが必要です。しかし高校や予備校の授業では、「わかる」までしかやってくれません。では、「やってみる」「できる」はどのようにして可能になるのでしょうか。
これを可能にするのは自学自習だけなのです。各教科の知識を覚えるためには、ノートを赤シートで隠すなどして「やってみる」必要があります。そしてテストを繰り返して「できる」ようにします。この自学自習こそが「やってみる」「できる」の段階なのです。
苦闘の末たどり着いた
「参考書1冊を完璧に学ぶ学習法」
僕は、自身の悲しい経験によって、この事実に気付きました。僕は、高校受験で学区内で最高の県立高校である千葉県立船橋高校に合格しました。向上心に燃えていた僕は、東京大学合格を夢見て、高校1年生から予備校に通うことにしました。多くの大手予備校の資料を取り寄せ、検討し、映像授業を中心とする予備校に決め、週3回通い始めました。
しかし成績は伸びませんでした。なぜなのだろうと悩みながら、3年間通い続け、受験に臨みましたが、一校も合格できませんでした。ところが、浪人しても3年間通った予備校に通いました。なぜなら、担任だった予備校の先生が、親身になって相談に乗ってくれ、信頼していたからです。
ただし浪人時代も相変わらずでした。何かが間違っていると感じ、秋になると僕は、自分で選んだ参考書での勉強に力を入れてみました。すると、これまで全く進歩を感じなかった成績が徐々に伸びたのです。〝もしかしてこの方法がよいのかも〟と思いましたが、時すでに遅く、入試の時期となり、苦戦を余儀なくされ、何とか学習院大学法学部に合格しました。
大学に入ると、4年間世話になった予備校でアルバイトをしました。成績が上がらなかった理由を解明できるかもしれないという思いがあったからです。すると敬愛していた担任の先生の営業成績が全国1位であることを知りました。
ここで成績が上がらない謎が解けたのです。その先生は、僕にどんどんと新しい映像授業を勧め、僕は、授業料を払って、授業を受けました。しかし、成績を上げるためには、ひとつの授業を受けたら、その内容を完璧にマスターするまで先に進んではいけなかったのです。僕は、復習せずに新しい授業を受け、予備校に貢いでいたのです。
その時は、大きなショックを受けました。しかし心を励まし、生徒の利益と予備校の利益が一致する予備校をつくろうと思い、大学1年生にして大学受験ビジネスを起業したのです。そのヒントは、「参考書1冊を完璧に学ぶ学習法」でした。
「逆転合格」には
超効率的な自学自習が必要
予備校の教育・指導は、授業を中心に組み立てられ、個別指導塾ですら一方的な指導に終始しています。成績を上げるために不可欠な「学習の訓練」を軽視しているのです。この「学習の訓練」は、自学自習でしかできません。自学自習による復習が成績をアップさせるのです。成績が優秀な生徒は、復習を十分にしているので、武田塾は不要です。しかし成績の振るわない生徒は、授業は受けても復習が十分にはできていません。
そのような生徒は、成績が優秀な生徒に追いつき追い越すには、同じペースで勉強をしていてはだめです。授業という〝無駄〟を排して、徹底的に効率的な自学自習を行わなければなりません。それが「逆転合格」の唯一の道と僕は確信しています。
武田塾医進館の学習法について
きわめてユニークな逆転合格システムの武田塾。
しかし、自学自習は分かるのだけどそんなにうまく行くのだろうか?
多くの生徒さんが挫折を経験したその学習法について、武田塾医進館の千葉 章統括に語ってもらった。
医学部受験は難問を解ける必要はない
早く確実に、基礎力が最も大切
医学部はどの大学でも、最難関の学部です。生半可な勉強で突破できるほど甘くありません。だからと言って、医学部に特殊な難問が出題されている訳ではなく、他の学部の試験問題と同じような設問が出題されているだけです。「最難関」と言われるのは、合格ライン、獲得しなければならない得点が高いと言うだけの話です。
「医学部医学科は、難易度が高く、特別な対策が必要。だから専門の受験対策や指導が必要」は真っ赤なウソです。特別な対策が必要であるとすれば、それは基礎力をしっかりつけ、ケアレスミスをなくし、短時間で正確に解けるようにすることなのです。これは、受け身の授業ではなく自学自習で行う「学習の訓練」でしか身に付けられません。
毎日が期末試験状態
勉強のやり方が身に付けば「超楽!」
学校の授業を思い出していただきたい。どんなに授業を一生懸命聞いていても期末試験前には、赤シートなどを使って集中的に覚える作業をしたはずです。そうなのです。テストで点を取るためには、集中的にインプットする自学自習は当たり前にやらないと成績は伸びるはずもありません。
「こんどからはコツコツやっておこう!」とどんな人も試験中に思ったはずです。でも次の試験に向けてコツコツやった人は居ないですよね。それは計画を立てて、確認して、復習して、テストして、と言うサイクルを管理してくれるコーチがいなかったからです。
毎日を期末試験状態にする。これが合格への最短距離なのです。
先に解いて、後で習う
これが最短で最楽の勉強法
普通の学習法は、授業で習ってから問題集を解いてみるという方法です。しかし、武田塾では、先に解いて分からないところを習うという「逆引型」の学習法を実践しています。この方が出来ないところが明確になり、何が分かってないのかも分かった上での学習なので圧倒的に長期記憶に残るからです。
高校3年生や浪人生はすでにすべての学習項目を履修しているはずですので、分かっているのか分かっていないのかは後回しにしてまずはどんどん武田塾の参考書ルートの問題を解いていっていただきます。そして分からなかったところや出来なかったところにスポットを当てて、非常に詳しく書かれている参考書を時には複数使い、さらに専任講師の指導も加わり学習します。
高校1年生や2年生は、全く習っていない学習項目がありますので、これは参考書と専任講師から教わります。しかし、他の予備校のように時間はかけません。あくまでも学習の訓練の方に重きを置くのは3年生や浪人生と変わりありません。
このような学習法で前出の学習の3ステップは驚くほど短時間で終えることが出来ます。通常の学習時間の約1/2で必要事項を完璧にマスターすることを目的としているのです。勉強時間が1/2になったら良いと思いませんか?
あなただけのテストを毎日作成
これが偏差値UPの秘密です
武田塾医進館の最大の特長は、毎日毎週あなただけのテストを作成していると言うことです。これは、模擬試験のように全体の中であなたがどれくらい出来ているのかや順位を測定するテストではありません。その日、その週に学習した内容がちゃんと記憶として残っているかをテストするテストです。当然、生徒さん一人ひとりに違うテストが作成されることになります。
この「確認テスト」は医進館では毎日行われ、学習内容が定着したかを確認して記録して参ります。80点以上ならば合格、80点未満ならば不合格で次の単元には進めずに同じ単元を復習して80点を目指します。時間が経つと人は忘れるので期間を置いて同じ内容のテストが繰り返されます。最終的には90点を取ることによりその参考書を完璧にしたと判断されるのです。
複数の専任コーチが
チームでサポート
テスト毎のフォローは、科目別の専任講師が1対1で実施します。分からないところの解説はもちろんですが、主にどのように学習したかを徹底解析して、明日や自習の学習をどのようにするかを設計して計画を立てます。武田塾ではこれを授業とは呼ばず「特訓」と呼んでいます。特訓後は必ず校舎長が生徒と専任講師と3人で面談し、科目別のバランスは志望校合格への進度をチェックします。受験生は特にメンタルバランスが崩れやすいので、そのサポートは特に気を使って行っています。専任のメンターを配置し生徒さんのメンタルケアを常にしています。
無料受験相談で
武田塾の参考書ルートをGET
武田塾医進館では無料受験相談を随時行っています。
受験相談では志望校への学習方法や武田塾のやり方、参考書ルートなど武田塾で実施している内容を惜しみなくお話ししております。武田塾は本来は入塾しなくても良いはずです。自学自習で志望校の合格は叶います。しかし、自分一人でなかなかできない場合は、武田塾医進館をご利用ください。
無料受験相談にいらしていただいても後日にお電話して勧誘する等は一切行っておりませんのでご安心ください。
私たちは、一方的な授業を廃し、本来の勉強法を広げていきたいと思っているだけなのです。
最適な「参考書ルート」で合格を勝ち取る
武田塾医進館の特色ある教育システムの中でも最も特長的なのは、生徒一人ひとりに最適な受験参考書を選択するシステムだ。このシステムの運営において中心的な役割を担う武田塾の「参考書ソムリエ」こと中森泰樹教務主任に話を聞いてみた。
市販の参考書を中心とした
受験勉強の利点
現在、出版されている大学受験生向けの参考書、問題集は、非常に充実しており、個々に特色があります。受験勉強を始める段階で、受験生が、どんな高校に通い、どんな学力で、どの大学を目指しているか、残り時間がどれだけか、など条件によって作戦は千差万別です。テキストを用意している大手予備校などでは、個々の生徒へのテキストの調整はできませんが、武田塾も医進館も、多種多様な参考書からその人に最も適したラインナップを厳選して提供しています。
医進館で医学部に見事合格している生徒でも、それぞれやって来たことは異なっています。同じ参考書を使っていても1日当たりのペースが違ったり、科目ごとの時間配分が違ったり、繰り返す周回数が違ったりします。これらを調整できるのが、市販の参考書を活用することの最大の利点です。
市販の参考書を
選ぶときの注意点
合格体験記などを見ると、合格者が活用した参考書は「できる人向け」が多いですが、そうした参考書で学ぶ前にやるべきことが色々あります。その参考書は自分のレベルに合っているかの判断がまず重要であり、解説が充実している参考書が必要か、基礎が充実している参考書が必要かといった自分のニーズをチェックする必要があります。まずあなたの現状把握と目標設定が必要なのです。
またまとめて全部買わず、ひとつを勉強した後に次の参考書を買うようにすることが必要です。予定通りに学習を進められる人は少なく、やってみた後の軌道修正も必要になります。
参考書ルートを設定する場合の注意点、方法
個々の受験生に対して、基礎から応用までステップアップ式に参考書を選択する合格計画が、武田塾の参考書ルートです。まず1日の勉強時間を設定し、1冊の参考書を何週間で終わらせるかという予定を立てます。その際に復習時間も組み込みます。テストをやって能力が身についていなければ、学習時間やペースを再検討し、ルートを変える必要があります。
最初に志望校合格までのルートを決め、実際にやってみて、現実と理想の差を調整します。紆余曲折の後に何とか間に合えば問題はありません。今の成績の良否は、今までにやったことの差です。今、成績が悪いということは、これからやらねばならないことが多いというだけで、それをやり切れば合格できるのです。医進館でも合格が非常に厳しい状態から1年間で国立医学部に逆転合格する生徒も少なくありません。
※本記事は『日経メディカル/日経ビジネス/日経トップリーダー 特別版 WINTER.2020年1月〈メディカルストーリー 入試特別号〉(日経BP社)』に掲載されたものです。