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2019.06.27

【淑徳小学校】
「共生の心」を育みながら中学受験に対応できる力を身につける

「共に生きて、共に生かしあう」という「共生の心」を土台に、感謝する心、慈しみの心、創造する心の育成を目指している淑徳小学校。毎年多くの子どもたちが私立中学校に進学しており、中学受験に対応できるカリキュラムも魅力だ。今春、医学部合格を果たした卒業生に、恩師同席の下、同校の教育を振り返ってもらった。

卒業生 蜂巣 由佳 さん

卒業生 蜂巣 由佳 さん
東京女子医科大学医学部1年。淑徳小学校から淑徳与野中学校・高等学校に進む。高校では生徒会長を務めた。

恩師 日吉  正 先生

恩師 日吉 正 先生
淑徳小学校教頭。蜂巣さんが4年次の担任を務める。

好奇心や向上心を刺激し楽しみながら勉強習慣を

――蜂巣さんはご兄弟全員が淑徳小学校出身だそうですね。

蜂巣 姉、私、弟2人の4人兄弟で、全員淑徳小学校でした。家から通い易く、男女共学で大らかな雰囲気、さまざまな学校行事があることなどから両親が淑徳小を勧めてくれたのです。実際、6年間はすごく楽しかった。兄弟共通の話題として、今でも淑徳小の話が出てきます。

日吉 本校は、大乗仏教の「共生の心」を大切にしつつ、中学受験に必要な学力を培うための教育を大きな柱としています。ご兄弟それぞれに本校での学びが根付いていることを嬉しく思います。

――日吉先生は4年次の担任だったとうかがっています。

日吉 やんちゃで個性的な子が多いクラスだったと記憶しています。蜂巣さんは、もちろん勉強面も優秀でしたけど、休み時間になるとみんなを誘って外に遊びに出て行くような活発なお子さんでしたね。久しぶりに会って、「大人になったな」と驚きました。話をすると昔の蜂巣さんが顔を出しましたが(笑)。

蜂巣 日吉先生は、最初は少し怖い印象があって、クラス全体やや敬遠気味でした。でも教わってみるとおもしろくて楽しい先生でしたね。答えを間違うと『タリラリラーン』という効果音が返ってきたり、何かをクリアするごとにシールをくださるのが楽しみでした。クラスの団結力も強かったです。

日吉 授業では、「子どもたちの好奇心や向上心をいかに刺激するか」を意識しています。たとえば社会科の暗記でも、一人で覚えようとすると大変ですが、集中できる環境やみんなで頑張ろうという雰囲気を作ることで、楽しみながらモチベーションを持って勉強に取り組むことができます。

子どもたちに「目標に向かって、自ら勉強しよう」という意識を持たせるような工夫を心がけており、それがクラスの雰囲気につながったのだと思います。

――中学受験を意識したのはいつ頃からですか。

蜂巣 小6の始め頃です。算数は5年、国語は6年から習熟度別クラスになり、「ちゃんと勉強しないと」と思うようになりました。

上のクラスでは、教科書には載っていないような難しい問題に挑戦することもあり、すごく刺激を受けましたし、下のクラスの人は「上に上がろう」と前向きに勉強に取り組んでいた。みんながしっかり勉強するという環境のなかで、自然に受験を意識するようになりました。

日吉 本校では、ほぼ全員が中学受験に挑戦します。そのため、低学年から勉強する習慣を身につけさせるとともに、高学年は中学受験に対応するカリキュラムを用意しています。

算数、国語の習熟度別クラスのほか、放課後・長期休暇中の補習授業や、毎朝の確認ミニテストや校内実力テストなどを通して、学力の定着を確認しながら、基礎学力の徹底と応用力の育成を目指します。

とはいえ、決して勉強を強制しているわけではありません。私たち教員は子どもたちの一番身近な〝応援団〟として、子どもたちが自ら進んで勉強する気持ちを引き出し、選択肢を増やし希望する進路に進めるようサポートしていきます。

多彩な学校行事を通して豊かな心や社会性を育む

――印象に残っている行事はありますか。

蜂巣 4年生でのオーストラリア海外体験旅行が印象深いです。一人で海外に行ったのは初めてだったのですが、つたない英語でも「話せば通じる」という自信がつき、英語を話すことに抵抗がなくなりました。

また、スキー教室や宿泊研修も楽しかったですね。3年の宿泊研修では、遅くまで友だちと話していて先生に怒られたことを覚えています(笑)。

日吉 海外体験旅行は、30年以上続く本校の伝統行事です。ホームステイをしながら現地の学校に通う10日間のプログラムで、自然や異文化に触れる貴重な体験の場となっています。

このほかにも本校には、宿泊体験、高原学習、スキー教室など多彩な学校行事があります。こうした機会を通して、子どもたちは豊かな人間性を育み、社会性を身につけていくのです。

海外体験旅行は30年以上続く伝統行事。教室だけでは得られない、様々な体験ができる。

海外体験旅行は30年以上続く伝統行事。
教室だけでは得られない、様々な体験ができる。

――5年前から「淑徳アルファ」という取り組みを始められたそうですが。

日吉 「放課後、友だちと思いきり遊べる場が欲しい」という子どもの願いからスタートした放課後の児童活動プログラムで、本校の教員が中心となって運営しています。

宿題や復習の指導を行うほか、そろばんや書道・音楽などさまざまな習い事も用意。長期休暇には遠足やお祭りなどの行事もあり、楽しみながら子どもの個性や社会性の伸長をはかります。

なお英語力を身につけたい、より上を目指したいという要望に応え、2019年度からイングリッシュコースも開設しました。

蜂巣 私の頃にも開設されていたら、ぜひ通いたかったです。

保護者にも好評!放課後の児童活動プログラム「淑徳アルファ」

保護者にも好評!
放課後の児童活動プログラム「淑徳アルファ」

日々の生活で培われた仏教の教えが医師としての精神的支柱に

――医師を目指されるようになったきっかけを教えてください。

蜂巣 両親が開業医で、小さい頃から漠然と医師になりたいと考えていました。淑徳小には医歯薬系への進学志望者が多く、そうした仲間から影響を受けた面もありますね。医師を目指す上で、「共生の心」を学べたこともよかったと思っています。

日吉 本校の1日は仏様に手を合わせることから始まります。日々の生活の中で自然に培われた仏教の精神は、今後医師を目指す蜂巣さんの精神的な支えになると思います。

――改めて淑徳小の魅力とは。

蜂巣 勉強面では、「みんなが中学受験する」という環境で学べたこと。仲間と切磋琢磨する中で、勉強に向き合うことができました。

生活面では、性別に関係なく全員が仲良く過ごせたこと。淑徳小でできた「人とのつながり」は、今も私の大きな力です。クラスメイトとは年1回同窓会を開いて集まりますし、それぞれの志望分野に進んだ同級生に刺激を受け、「自分も頑張ろう」という気になります。

日吉 本校では卒業生の「成人を祝う会」や「卒業20周年同窓会」を行っていますが、卒業生同士、クラス単位等でよく集まっているようですね。

卒業後も生徒同士の交流が続くのは、私立小学校ならではの良さでしょう。報告や相談に本校を訪ねてくる卒業生も多く、私たち教員も彼らの成長を楽しみにしています。

――今後の抱負をお聞かせください。

蜂巣 医師になるための勉強にしっかり取り組みたい。そして相手の目線に立って物事を見ることができる医師になりたいと思っています。

日吉 東京女子医大には、本校の卒業生もたくさんいます。お互いいい刺激を与え合い、心身共に立派な医師になって欲しいと願っています。時々は学校に顔を出して、近況を教えてくださいね。

蜂巣さんのように、前向きに自分の未来を切り拓いていく人を一人でも多く育てていくのが、私たちの使命です。これからも本校は、子どもたちの心に寄り添い、育てる教育を実践していきたいと思います。

朝と帰りに「仏様」に手を合わせる。朝は一日の始まりに誓いの言葉を、帰りは感謝の言葉を言う。

朝と帰りに「仏様」に手を合わせる。
朝は一日の始まりに誓いの言葉を、帰りは感謝の言葉を言う。

※本記事は『日経メディカル/日経ビジネス/日経トップリーダー 特別版 SUMMER.2019年6月〈メディカルストーリー 教育特集号〉(日経BP社)』に掲載されたものです。

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