――医科コースの特徴的なプログラムを教えてください。
兼 医師としての素養や世界の舞台で活躍できるリーダーの資質を身につけてもらうプログラムとして、週に1コマ「メディカルサイエンス」という授業を行っています。
「医療問題」「科学実験」「医療統計」「科学英語」の4分野で、高1から高3までが学年の枠を超えて教え合い、学び合う協働学習が特徴です。昨年、特に力を入れた医療問題の分野では、再生医療の倫理面について考えを深め、講義やテーマに沿った研究を行いました。
――体験を重視した取り組みも多いそうですね。
兼 生徒一人ひとりにいきわたる実験機材をそろえ、さまざまな科学実験を行っています。また生徒には「医科コース生である前に江戸取生であれ」と言っています。文化祭や音楽大会にも積極的に参加し、失敗や小さな成功体験を積み重ねながら人間的に成長して欲しいと思います。
――大学や病院、現役医師との連携も強いそうですね。
兼 現役医師を招いての「医科講話」、医療倫理を学ぶ「医科教養講座」、長期休暇を利用した「一日医師体験」、お茶の水女子大学湾岸生物教育センターを利用した「海辺の生物体験」などのプログラムを用意しています。
また、今年度から国語科教員が医科コースに加わり、レポートなどを指導。医学部受験で行われる面接や小論文対策としても大変有効だと考えています。
医科ジュニアコースでも、大学の先生による講演を実施するほか、獨協医科大、国際医療福祉大などに見学に行きます。また卒業生の協力の下、今年度から「医科講話」も開始。早い時期から医療について考えを深める機会を設けています。
一方、アフタースクールを開講し、高校生が小学校での実験教室をサポート。小中高の流れの中で、医師への思いをより強固にして欲しいと考えています。
――学習の成果は、外部のコンテストなどにも表れているそうですね。
兼 3月には神戸で開催された「日本再生医療学会」では、ポスターセッションやプレゼンテーションも行い、銅賞を受賞しました。他にも平成30年度茨城県医師会高校生作文コンクール(会長賞)、第1回自治医科大学 高校生小論文コンテスト(入賞)など、さまざまな機会に日々の研究成果を発表しています。
ほかにも化学グランプリ2018(銅賞)、物理チャレンジ2018(優秀賞2名、奨励賞1名)、日本生物学オリンピック2018(敢闘賞)などでも実績を上げています。
金森 数学分野でも、数学甲子園2018で本選出場(昨年度に続き4年連続)しました。2019年日本数学オリンピックでも本選出場権を獲得しています。