大学入学共通テスト（以下、共通テスト）となって3年目を迎えた2023年度入試。今年の共通テストは科目ごとに差はあるものの、大きく難化した昨年に比べると、全体的に易化したといえるだろう。目まぐるしく動く状況の中で、医学部を目指す受験生はどのように学習を進めたらよいのか。Y-SAPIX教育情報センターの堅田一郎氏に伺った。

――2023年度の医学部入試の特徴を教えてください。

 

 

堅田　18歳人口の減少により、国公立大学全体の志願者は若干減少しましたが、医学部の志願者は前期日程では3年連続、後期日程では2年連続で増加しています。昨年は共通テストが難化したにもかかわらず志願者が増えたため、強い目的意識を持って医学部を受験する生徒が増えているのだと思います。今年の共通テストでは昨年のような予想外の難化は見られなかったので、さらに強気の出願になったのではないでしょうか。

 

 

――今後の医学部入試はどのような傾向になっていくと考えられますか。

 

堅田　現在、医師の数はトータルで見れば足りていますが、地域や診療科の偏在が問題になっています。医学部全体の定員が急に減ることはないと思いますが、地域枠や診療科を限定した募集が増えていくことが予想されます。また、現在の医学部入試では一般選抜が7割以上を占めていますが、総合型選抜、学校推薦型選抜の割合がさらに上昇することも考えられます。総合型選抜や学校推薦型選抜においても、一般選抜と同等の学力が求められるので、ベースとなる学力を全体的に上げていくことが必要です。

 

　それを踏まえて受験生にアドバイスしたいのは、共通テストで1点でも多く積み上げること。例年なら得点率90％、今年の水準でいえば、85％くらいを目標としましょう。いくら2次試験で挽回できるといっても、共通テストの得点が不十分だと、自分の志望先にほかの受験生が集中した場合、分厚いボリュームゾーンの中で戦うことになり非常に不利です。また、後期日程の出願も考えるのであれば、1点でも多く取るに越したことはありません。

 

 

――現役で合格するためのポイントはどんな点でしょうか。

 

堅田　共通テストに顕著に現れていますが、これまでに見たことのない新傾向の出題が今後も続いていくと思われます。解き方を丸覚えする学習では通用しないので、まずは基礎をしっかりと固めていくことが重要です。特に医学部志望者には浪人生が多いので、勉強期間の差を埋めるには、基礎学習を速く進めて、高3で実戦演習を多く積むことがポイントになるでしょう。また、2025年度からの新課程入試では、表現力、読解力を重視する傾向がさらに強まると予想されるため、その対策にも早い時期から取り組むとよいと思います。

 

 

――どのように学習を進めればよいのでしょうか。

 

堅田　基礎を固めるには学校の勉強が大切ですが、学校の進度に合わせて進めると、実戦演習が十分にできなくなるケースもあります。そのような場合は、塾を活用するのも一つの方法です。

 

　たとえば、Y-SAPIXの数学では、中3で高2までの基本的な単元を一通り終わらせ、高1・2でそれらの単元を繰り返し学ぶ「スパイラル方式」で理解を定着させていき、高3の1年間を実戦演習に充てています。高校受験を経験した生徒には「数学速習」という講座を用意しており、これを受講して単元の学習を進めれば、高2からメインの数学に合流できるカリキュラムになっています。

 

　少人数制で授業が行われ、それぞれの生徒の学習段階に対応できるのもメリットです。個々の志望校や苦手分野に合わせた添削指導も行います。さらに、医学部に在学しているインストラクターが、自身の経験を生かして、生徒に合わせた学習法などのアドバイスをしてくれます。医学部にはさまざまな入試パターンがあり、私立大学の入試問題は大学によって傾向もかなり異なります。一人ひとりの状況に合わせて対策できるのは、とても心強いはずです。

 

　また、オンライン授業「iClass」でも、双方向でていねいにコミュニケーションをとっています。部活動の都合などを踏まえて、対面授業と「iClass」を組み合わせて受講することも可能です。

 

　医学部受験を考えている方は、早めに覚悟を決めて、強い気持ちで受験に向けてのスタートを切ってほしいと思います。そのために、Y-SAPIXではすべてをサポートします。