医学部 塾・予備校活用ガイド
2026.01.23
【新潟県地域枠】
地域枠を賢く活用する受験戦略のポイント
戦略が求められる現在の医学部受験で重要性が増しているのが地域枠です。しかしその情報の多さと複雑さから誤解や思い込みでうまく活用できていない受験生も多いです。今回は地域枠を賢く利用するためのポイントを新潟県地域医療支援センターの神田健史センター長に解説いただきました。
新潟県地域医療支援センター センター長 神田 健史 氏
定員の1割を占める地域枠を活用してチャンスを広げる
18歳人口が減少した現在でも医学部は高い志願倍率が続いています。R3年の大学入試改革では共通テストの導入が注目されがちですが面接試験の重視も大きな変化でした。その影響で模試の合格判定の的中率が低下し確実に合格したい受験生が複数大学を受験するようになったことも影響しています。一方全国の医学部定員は医師数を介して診療報酬や医療費に直結するため国によって厳格にコントロールされており、H1~19年では7,000人台に抑制されていました。それがH20年以降現在の9,000人台まで拡大されたのが地域枠を理由とした臨時定員によるものでした。
地元出身者でなくても地域枠に出願・受験・合格できる
枠はありましたがH20年以降の地域枠はそれらと異なり国の緊急医師確保対策等によるもので社会的責任の大きいものとされています。当初は大学による制度の差が大きかったですが、それらを整理するために国はR4年に定義を明確にしました。それによると地域枠は「卒業後都道府県が指定した条件で勤務する必要のある入試枠」とされ「一定期間当該都道府県に住所を有した者」を要件とする地元枠と区別されました。そのため(地域枠かつ地元枠の枠もありますが)単に地域枠といった場合はその都道府県と縁がなくても出願可能です。またこの臨時定員増を伴う地域枠は大学が独断で設置できず、あくまでも地域医療に従事する医師を求める都道府県の要請に基づくものとなりました。
地域医療に従事することを希望する者のみが出願できる
地域枠も入試や合否判定は大学が行います。都道府県が試験に関与する場合もありますが少数です。特徴的なのは別枠入試という地域枠を志願する受験生のみから選抜する入試で、一般選抜合格者を後で地域枠に振り替えたり、埋まらなかった地域枠定員を一般選抜定員として利用したり出来ない点です。一般選抜や他都道府県地域枠と併願できる大学もありますが、受験生全員が地域枠を志願している点は共通です。そのため多くの大学が「合格した場合に入学を確約できる者」を要件としており基本的に補欠合格はありません。合格後辞退は地域医療を支える医師の減少に直結するためよく考えた上での出願が必要です。
医師としての自分の将来設計を考えることが大事
出願時の検討事項としては入学後より卒業後の事項の方が重要です。地域枠は卒後「当該都道府県に9年間、うち約4年間を『(医師少数区域等の)医師の確保を特に図るべき地域』に勤務する」という従事要件が課せられます。この勤務の仕方をキャリア形成プログラムと呼び、従事する地域・病院・診療科、研修や猶予条件などが含まれますが、都道府県が作成するため細部で都道府県による差が大きいです。同じ大学の地域枠でも都道府県が違えば将来の勤務の仕方は異なりますし、逆に大学が違っても都道府県が同じなら将来の勤務の仕方は同じかも知れません。地域枠入試ではこれらの情報をよく吟味して出願する都道府県を考えることが重要です。医師としてのキャリアアップや結婚・育児などキャリア形成プログラムが適用される時期の自分の希望を想像するのは難しいとは思いますが、少なくとも臨床研修や専門研修等の一般的事項は理解した上で各都道府県のキャリア形成プログラムを吟味する必要があります。
大学入試説明会で過去の卒業生の状況を都道府県に聞くのが早い
これらの情報は都道府県のHP等で確認できますが概して複雑で膨大です。大学入試説明会やオープンキャンパスには都道府県も参加していますので、そこで個別に相談するのが便利です。新潟県は600名超の実績を基にキャリア形成プログラムが柔軟で専門医取得や結婚・育児に支障がないことや臨床研修・専門研修の実際についても説明しています。制度の説明だけでなく具体的な卒業生の状況を聞ければ安心できると思います。
多くの受験生が新潟県地域枠を活用しています
新潟県では『地域医療に貢献したい人が経済的理由で医学部進学を諦めないよう』 私大の学費相当の修学資金を貸与しキャリア形成プログラム終了をもって返還を免除しています。地域枠を利用して出願校を増やすことが現在の受験戦略にあっているため毎年1,000人超の受験生が新潟県地域枠を受験しています。そのため合格しやすい枠ではないのですが、現在の医学部受験で賢く利用するべきものであるというのは間違いないと思います。
全国地域枠実施大学一覧 ▼
※本記事は『日経ビジネス 特別版 WINTER.2026〈メディカルストーリー 入試特集号〉(日経BP社)』に掲載されたものです。
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