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2024.01.23

【医学部受験最前線】自分に合った医学部予備校の選び方

少子化の影響で、多くの学部が大幅に志願者を減少させている中で、医学部は高い人気をキープしています。高校の授業と家庭の自学自習だけで、その高いハードルを乗り越えるのは容易なことではありません。そこで、医学部を志望する場合は、既卒生はもちろん、現役生もほとんどが予備校を活用しています。とはいえ、ひと口に予備校といっても、様々なタイプがあります。医学部入試に強く、なおかつ自分に合った指導を行ってくれる予備校を選ぶことが肝要になります。では、どのような視点で選べばいいのでしょうか。現役生・既卒生に共通する視点と、現役生、既卒生個別にチェックすべき視点の3つのブロックに分けて解説します。

1️⃣ 現役生・既卒生共通で重視すべき視点

大人数集団授業、少人数制授業、 個別指導それぞれの特色を見極めよう

 予備校によって、指導形式は大きく異なります。どの指導形式が優れていると、一概に言えるものではありません。それぞれの特徴を理解して、自分の学力や性格に合った指導形式の予備校を選択することが大切です。その予備校に通っていた先輩の話を聞いたり、体験授業や説明会などに積極的に参加して、しっかり見極めるようにしましょう。参考までに、予備校のタイプ別の特色を紹介します。

 

 一般的な予備校は、大人数の集団授業が中心で、その分、学費は抑えられます。すでに高い学力を備え、自主的な学習態度が身についている人は、こうした予備校が向いています。授業で自分の弱点を見つけて、克服するための学習計画を立て、自力で学力を伸ばしていけるからです。けれども、現役生の多くや、既卒生でも自主的な学習態度に自信がない場合は、受け身で授業を受けているだけになり、知識の定着が図れないケースも少なくありません。

 

 それに対して、医系予備校では、集団授業でも1クラス10人以下の少人数制が主流になっています。この体制ならば、講師は生徒一人ひとりの学力の現状と推移、性格、弱点分野などを把握しやすく、きめ細かなフォローが期待できます。自然と講師との距離が近くなり、質問しやすい雰囲気も生まれています。ただし、一般的な予備校と比較すると学費は高めになっています。

 

 学費は最も高くなりますが、マンツーマンの個別指導を実施する医系予備校もあります。医学部入試では、ひとつでも不得意科目があると、合格は困難になります。どうしても自力では克服できない不得意科目・分野を抱えている場合は、個別指導が有効です。

 

 こうして見ると、個別指導こそが、誰にとっても最適な形式なようですが、それほど単純なものでもありません。医学部に合格するには、膨大な勉強量が要求されます。長く厳しい日々を乗り切るには、ライバルと切磋琢磨して、やる気を高める環境が重要になります。そのため、少人数制集団授業と個別指導を組み合わせた学びを可能にする予備校も増えています。

「完全定着」をめざして 夜間指導を行う予備校が多い

 医学部志望者が肝に銘じておくべきなのは、問題は「ほぼ解ける」では不十分で、「確実に解ける」レベルに仕上げる必要があるということです。医学部に合格するためには、それだけの高得点が要求されるのです。

 

 そこで、ほとんどの医系予備校では、半強制で夜間指導を実施しています。授業で学んだ知識の完全定着を図り、膨大な問題演習の時間を確保して、確実に解ける力を高めるためです。

 

 夜間学習では、与えられた課題に取り組み、分からないところが出てきたら、待機している講師に質問して、その日のうちに解決できるようにしています。さらに約1週間後に、授業で学んだ内容のテストが行われ、全問を自力で解けるようになるまで解き直しが課されます。厳しいようですが、そこまで徹底することが、医学部合格には不可欠なのです。

医学部受験に強みを発揮できる サポート体制になっているか

 予備校を選ぶ際、講師陣のサポート体制も重要な要素になります。

 

 少人数制の医系予備校の多くでは、一人ひとりへのきめ細かなサポートをめざして、担任講師制度を設けています。生徒や保護者と定期的に面談し、勉強の進捗状況を確認し、その後の学習方針についてアドバイスするのが主な役割です。そのほか、生徒の日頃の様子を観察し、悩みや焦り、ストレスなどの兆候があるようなら、声かけして、随時、相談に応じています。

 

 もちろん、担任講師が生徒のすべてを把握するのは無理です。そのため、多くの場合、その生徒が受講している各科目の講師陣、職員を合わせたチームによるサポート体制を構築しています。チームは月に数回集まって、学習、生活両面から、生徒の現状に関する情報を共有し、今後どう指導していくか、話し合いを重ねています。講師室で日常的に、何らかの課題を抱えている生徒について、皆で解決策を議論している予備校も少なくありません。

 

 そして実は、こうしたチームによるサポート体制が充実している予備校こそが、医学部受験で強みを発揮しているのです。なぜなら、医学部入試では、すべての科目で高得点を上げられなければ合格は困難だからです。そのため、たとえば特定の教科の成績が伸び悩んでいる生徒がいたら、自分が担当する教科の課題を減らして、一定期間、弱点の克服に集中させることも必要になってきます。そうした臨機応変な対応を可能にするためには、その生徒に関わる全講師がチームを組んで、情報を共有していることが大切になるわけです。

2️⃣ 現役生はこの点をチェック!

同じ医学部をめざす仲間が多い 予備校を選ぶことが大切

 現役生の中には、在籍している高校に医学部志望者があまり多くない場合もあるでしょう。そうすると、「無理して医学部をめざす必要はないかも……」と、勉強に熱が入らなくなることもあるかもしれません。そうした恐れがあるようなら、医系予備校など、皆が医学部をめざしている環境を選ぶ方がいいでしょう。

 

 実際、医学部合格者の体験談でよく聞かれるのが「仲間たちがそれぞれに悩みを抱えながらも、医学部をめざして必死に努力している姿に接して、自分も最後まで粘り強く頑張れた」といった声です。同じ難関の医学部をめざす仲間たちは、ライバルであると同時に同志であり、受験勉強の大きな支えになる存在でもあるのです。

現役医学生チューターの存在が モチベーションを高める

 現役生も、高校のキャリア教育プログラムなどで、医学生の話を聞く機会はあるかもしれません。医学部のカリキュラムやキャンパスライフなどの話に刺激を受けて、「医学部に行きたい」というモチベーションを高めた人もいるでしょう。

 

 実は、医学部に強い予備校の中には、そうした刺激を日常的に提供しているところもあるのです。それが現役医学生チューターです。主な役割は、自分の体験を踏まえて、勉強方法や日々の過ごし方などをアドバイスすることです。ほとんどがその予備校の出身者ですから、助言には説得力があり、大いに参考になるはずです。

授業後の自習が ペースメーカーの役割を果たす

 現役生は、先述した夜間指導の様子もチェックしておきましょう。多くの現役生が、授業後も残って勉強しています。高校の学びと両立させながら、医学部受験のための勉強時間を確保するのはなかなか難しいことですが、夜間の自習の存在が、いわゆるペースメーカーの役割を果たす面もあります。

 

 自習のための環境も確認する必要があります。多くの予備校で、自習室は土日も含めて朝8時頃から夜10時頃まで開放されています。ほとんどが一人ひとり専用のブースで、集中して勉強に取り組めます。

学校推薦型の受験にも 対応した指導が行われているか

 現役生の中には、学校推薦型の受験を視野に入れているケースもあると思われます。その場合は、説明会などで、学校推薦型への対応の充実度を質問しましょう。その予備校の情報収集力や指導体制のきめ細かさなどを判断する材料になるはずです。

 

 もちろん、多くの予備校では、各医学部の学校推薦型選抜がどのような形態で行われているのか、綿密な情報収集に努めています。その上で、生徒のニーズに応じて、面接対策や小論文の添削指導などに力を入れています。

3️⃣ 既卒生はこの点をチェック!

入試問題と相性のいい大学が 適切にアドバイスされるか

 医学部入試の特色は、大学ごとに出題傾向が大幅に異なるということです。基礎学力がある程度固まっている既卒生は、早めに志望校を決めて、出題傾向に即した勉強を進めることが重要です(もちろん、基礎学力に自信がない場合は、その強化が先決です)。

 

 この志望校選びの際に、どのようなアドバイスが行われているかが、大切なチェックポイントになります。望ましいのは、生徒一人ひとりの得意・不得意な分野、問題の形式などを把握した上で、その生徒が高得点を取りやすい大学、つまり入試問題との相性が良さそうな大学を、志望校の候補として示してくれることです。とくに既卒生の場合は、相応の学力は備えていても、入試問題との相性が原因で不合格になったケースもあると考えられます。相性は自分では分からないこともありえますから、同じ轍を踏まないためには、プロの講師に客観的にアドバイスしてもらうことが肝心です。こうして志望校が決まったら、次に出題傾向が近い大学を紹介してもらいましょう。その大学を併願校にすれば、効率よく勉強を進めることができ、合格の可能性が高まるはずです。

入試問題の分量、頻出分野などの 分析力も重要なポイント

 入試問題の分析力も、予備校選びの重要なポイントです。それが不足していたのでは、入試問題との相性は的確に判断できないからです。

 

 多くの予備校では、ベテランのプロ講師を中心として、「入試問題分析チーム」を編成。大学ごとに担当する講師を決めて、入試問題の分量、難易度、頻出分野、解答方法などを詳細に分析しています。それによって、生徒ごとに志望校の類似問題も豊富に提供できますし、出題のクセに応じた失点しない答案作りのアドバイスも可能になっています。

受験勉強に専念できる 専用寮を設けている予備校もある

 地方出身者で、都市部の予備校に通いたいと思っている既卒生にとっては、住環境も1つの課題になります。そんな生徒のために、専用寮を設けている予備校もあります。最近では、自宅から通学可能であっても、「通学時間がもったいない」「夜遅くまで予備校で自習しているので、帰り道の治安を考えると寮の方が安心」などの理由で、入寮する生徒も増えています。専用寮に入れば、規則正しい生活が送れ、受験勉強に専念できるメリットがあります。

 

 管理栄養士が献立を作り、食堂で決められた時間に温かい食事を提供するなど、寮生の食の充実に力を入れる予備校も見られます。食堂は寮生だけでなく、通学生も利用可能なケースもあります。現役生は夕方や夜間に授業を受けますし、既卒の通学生も夜間指導が半強制になっていますから、それらの生徒の夕食がおろそかになってはいけないからです。皆で和気あいあいと食事を楽しむ時間は、良い気分転換の場になっています。

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