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2023.07.14

【ハンガリー国立大学医学部】 VOICE 先輩医師の声 ~ ハンガリーからドイツの医師に

「本気になれば、道は切り拓ける。」
ドイツと日本の懸け橋になる医師になりたい

吉田 いづみ 先生
(よしだ・いづみ)

アウグスブルク病院勤務(ドイツ)
センメルワイス大学2021年卒

 

10年前、医師になる道はこれしかないと
ハンガリー医学部進学を決意

 

吉田先生のインタビュー動画
https://youtu.be/6Vz-UXpaVPU

ハンガリー医学部への進学の決め手は何ですか。

 高校3年生の時にインターネットでハンガリー医学部のことを知った瞬間、「私が医師になるのはこの道しかない」と確信をしました。子どものころから医師になることを夢見ていたものの、理数系科目の成績は思うように伸びず、実は高校1年生の終わりのころには医学部は難しいと半ば諦めていました。高校3年生になって、改めて「やはり医師になりたい」という気持ちと医学部入試のハードルの高さとの狭間で、ただただ途方に暮れていた中での出会いだったこともあり、これしかないと覚悟を決めました。

センメルワイス大学

ハンガリーでの医学部生活はどうでしたか。

 最初の予備コース1年は本当にきつかったです。とにかく、まずは英語力を磨くために同時期に入学した日本人学生とはあえて距離を置き、クラス分けの希望では「None Japanese」、日本人のいないクラスを選択しました。そのような日々を送った甲斐もあり、最初の1年で英語には困らなくなりました。ただ、本コースに入学してからもハードでした。とにかく学ぶことが多すぎて、あれほど勉強漬けの日々は後にも先にもありません。それでも結果が思うようについていけないという厳しい環境でしたが、逃げずに追試、再試験と着実に一歩ずつ何とか乗り越えていくことができました。大変だったことも多かったですが、最高の思い出、経験を積むこともできました。

 

 大学には世界中から医師をめざす学生が集まり、スペイン人、イスラエル人、スウェーデン人の親友と出会うことができましたし、実習では言葉や文化の壁を越え「生きる」とはどういうことか、深く考えさせられたのもかけがえのない経験です。

 

 現在は、ドイツで皮膚科医として勤務しているのも、ハンガリーでの経験が大きいです。ゆくゆくはドイツと日本の懸け橋となれるような医師になることが私の今の目標です。

ハンガリー医学部をめざす学生に一言お願いします。

 10年前、医師になりたいけれども道がないという中で、ハンガリー医学部と出会い、医師になれただけでなく、ドイツという日本と違う国で医師として働くことができています。私はハンガリー医学部で学ぶということは単に医師になるというだけではなく、将来の幅を広げられる貴重な経験を得られる場だと感じています。

 

 ハンガリーで医学を学ぶということは、決して簡単な道ではありませんし、時にはつらい状況から逃げ出したくなることもあるかもしれません。ただそのような環境を切り拓くのは自分自身です。「どうしても医師になりたい」という強い気持ちを持っている人は、ハンガリーで学ぶことを視野に入れるのも一つかもしれません。今がどのような状況であっても、「本気になれば道は切り拓ける」、私は心からそう思っています。

※本記事は『日経ビジネス 特別版 SUMMER.2023〈メディカルストーリー 教育特集号〉(日経BP社)』に掲載されたものです。

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