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医学部教育の現状

2022.01.07

【WILLナビnext 2022/医学部研究 医学部ってこんなところ―北里大学医学部―】

中学生活をワクワクしながら待っているみなさんには、大学の話は遠い世界のように感じられるかもしれません。しかしなかには、将来は医者になりたいと思っている人もいることでしょう。そこで、医学部ではどんなことを学ぶのか、中高時代にやっておいてほしいことなどをお聞きしました。

北里大学医学部長  浅利 靖 先生

Q1 北里大学医学部はどのような理念で教育を行っていらっしゃいますか?

A1 北里大学は、学祖と仰ぐ世界的な細菌学者・北里柴三郎先生が身をもって示された「開拓」「報恩」「叡智と実践」「不撓不屈」を建学の精神としています。「開拓」とは文字通り、その分野を切り開いていくパイオニアになれということです。「報恩」は、感謝の気持ちを持って仕事にあたること、「叡智と実践」は、積み重ねてきた知識やスキルを、社会に貢献するように使おうということ、「不撓不屈」は、諦めずに研鑽を続けるということを意味しています。

 医学部では、この精神を前提としつつ、より良い医師を育てるために、次の4つの柱からなる「北里医学スピリット」を教育理念に掲げています。

①人間性豊かで優れた医師の養成

 →患者さんの立場に立って考えることができる思いやりや、生命に対する畏敬の念をもって医療にあたる「患者さん中心の医療」を実践するため、看護師や薬剤師など多職種とのチームワークの重要性を学びます。

②学際領域を含む医学研究の推進

 →総合大学の利点を活かして、薬学部、獣医学部、理学部など他学部との共同研究を推進するなど、学部を超えた高度な研究を行います。

③国際貢献の推進と地域医療への協力

 →海外から発信された最先端の医学情報を読み解いたり、海外で研究成果を発表したり、日本国内で外国人の患者さんを診察したりと、グローバルな観点から日本の医療を支えます。

④予防医学の推進

 →個人のライフスタイルから、医療だけでは解決が困難な社会的な健康の決定要因まで、健康に影響を及ぼす要因を幅広く見据えて、病気を予防するための取り組みを行います。

Q2 教育理念を表す具体的な授業や カリキュラム、行事・活動などを 教えていただけますか?

A2

<1年次>

「チーム医療演習」

 チーム医療に力を入れており、医学部や看護学部、薬学部などの学生が一緒になって1年次から「チーム医療演習」を行っています。医師はリーダー的役割を担うことになりますが、それは人格的に優位ということではなく、職業的に優位だということです。それを低学年次から徹底して学びます。学年が上がって臨床実習などで一緒になると、互いにリスペクトし合える関係になっていきます。

「医学原論」

 医師の仕事についてのプロフェッショナリズムをしっかり教えています。獣医学部の付属農場で牛の世話を体験するプログラムや、北里柴三郎が育った熊本の小国町で農村にホームステイして農業体験を行うプログラムを通して、食や命についても考えます。

<2年次>

「早期体験実習」

 大学病院の当直の先生に張り付き、急患が運ばれてきたときに医師が夜間どんな対応をするのかといったことも含めて、医師の仕事の実態を目の当たりにする病院当直体験や、福祉・介護施設、法律事務所、消防署など医療と関連の深い組織を訪問し、それらと医療がどう関わっているかを理解するようなプログラムも用意しています。

「医学研究入門」

 論文を読み、研究の方法を学びます。

「チュートリアル教育」

 2~3年次に行うもので、5~6人のグループに分かれて、どこに問題があり、どう解決するかを主体的に学んでいく教育方法です。医師としてのコミュニケーション能力も育成します。

<3~4年次>

「器官系別総合教育」

 臓器や器官ごとに、いわば縦割りで学ぶ授業です。呼吸・循環器系とか、消化器系などの臓器系統別に、解剖学や生理学、生化学の先生がそれぞれの観点から講義するような総合的な授業を展開しています。

「らせん形カリキュラム」

 「医療安全」「予防医学」「医療面接」「医学英語」などに関する授業は、複数の学年にまたがって授業が展開されています。同じテーマの内容を段階的にくり返し学び続けることで、確実に知識やスキルを定着させています。

「研究室配属」(3年次)

 基礎医学の研究室に配属され、テーマをもらって1カ月間、医学研究に携わります。

<5~6年次>

「参加型臨床実習」

 5年次は見学主体の実習ですが、6年次はスチューデントドクターとして、患者さんの同意のもと、医療チームの一員となって指導医の指導に基づいて診療に参加します。英語が堪能で成績が優秀な学生は、提携している海外の大学で3カ月間の臨床実習を行うこともできます。

Q3 校風は卒業生たちのなかで どのように開花し、 後輩たちに受け継がれていますか?

A3 「北里医学スピリット」は大学卒業後も受け継がれています。卒業生は主に医学の研究者を中心に設立された「北里医学会」とい学術団体の会員となり、4つの柱を体現するような研究活動に参加するようになります。医学部の学生も準会員であり、先輩たちの背中を見ながら育っていきます。

 また、在学中は、1年次~6年次までの学生が均等になるように割り当てられた懇話会という組織があり、このなかで先輩から後輩へと大切な伝統が伝えられていきます。

 5・6年次になると、学生はグレーのユニフォームを着ることになりますが、このユニフォームを着ることは低学年次の学生にとって憧れでもあり、良きロールモデルとしての役割を果たしています。

Q4 医師・研究者を目指す中高生に 大学入学までに学んでほしい力は 何でしょうか?

A4 どの科目も医学部入試に合格できるだけの力はつけてほしいと思いますが、とくに力を入れてほしいのが英語の勉強です。医師は一生勉強し続けなくてはなりません。最新の研究成果や医療情報は英語で発信されることが多く、英語ができなければキャリアアップやスキルアップも難しいからです。

 医師は言葉を介して患者と接します。日本もグローバル化していますから今後は英語での診察も増えてくるでしょう。その意味でも、医師を目指す人にはいろいろな体験をしておいてほしいと思います。友人たちとの語らい、クラブ活動、趣味のバンド活動でも何でもかまいません。人に迷惑をかけない範囲なら、多少のやんちゃやズルをあってもいいでしょう。そうした体験を通して豊かなコミュニケーション能力を磨いておいてください。

Q5 最後に、受験生や保護者全般への メッセージをお願いします。

A5 医師は社会の規範にならなくてはなりませんし、働き方改革で多少は変わってきたとはいえ、命に関わる仕事のため、長時間労働を強いられることもあります。ですから、本当に医師になりたいと思っている子どもたちに医学部に来てほしいと思っています。保護者の方々には、少しでも医師や医学に興味を持てるような機会、本人がその気になるような機会を、できるだけたくさん作ってほしいと思います。ご自身が医療関係者ならば、働いている姿を見せてあげてもいいでしょう。

 医師の仕事は、患者さんの一生を左右するようなことが多く、やりがいの非常に大きな職業です。医師になりたいと少しでも興味を持っている中学生は、大歓迎です。

北里大学 医学部

〒252-0373  神奈川県相模原市南区北里1-15-1
TEL 042-778-8111

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