医学部に強い中高
2017.01.19
東邦大学付属東邦中学校・高等学校
付属校のメリットを生かしながら リベラルアーツ型教育を展開
東邦大学付属東邦中学校・校舎
医歯薬系をはじめとして、国公立大・難関私立大への高い進学実績で知られている同校は、2017年度からは高校の募集を停止し、完全中高一貫校となる。これによって、幅広い教養を身につけるリベラルアーツ型の教育のさらなる進展・深化と、中高大連携の取り組みが一層強まることが期待される。
※本記事は『日経BPムック2017/日経メディカル「医学部進学ガイド」 』(2016年10月発売)に掲載されたものです。
幅広い教養の上にこそ 豊かな専門知識が成り立つ
建学の理念「自然・生命・人間」の尊重に基づき、広範な教養を身につけるリベラルアーツ型教育が、同校の教育の大きな特色だ。この「幅広い教養の上にこそ、豊かな専門知識が成り立つ」という理念を堅持しながら、完全中高一貫化することにより、高2から自然・生命科学を中心としたコースと、人文・社会科学を中心としたコースとに分かれることで、さらに深い専門知識の習得も可能となるものと思われる。
そんな同校は、生徒の「意思」や「志」も大切にしている。中高6年間を「自分探し」の期間と位置づけ、〝考えさせる〟ことに重きを置いた〝プロセス重視〟の授業で培った主体的な学びの姿勢や、知的好奇心を喚起させるさまざまな機会を通じて、各々が将来のビジョンを構築できるようにサポート。キャリアガイダンスも中2から始まり、医師、弁護士、大学の研究者などを招いた特別講演などによって、早期から確かな職業観を育んでいる。
また、「自分探し」につながるプログラムの一つが、「学問体験講座」だ。東邦大学各学部との連携の下、ロボットプログラミングや医薬品の調合など、最先端の学問に触れる講座を数多く実施。なかでも「ブラック・ジャック セミナー」は人気で、東邦大学の佐倉病院で、最新の医療機器を使った外科手術を体験する。このように、医学部や理学部を擁する大学の付属校というメリットを生かして、生徒たちの学習に対するモチベーションを高く維持している。
東邦大学系列病院での臨床体験の様子。東邦大学佐倉病院と「ジョンソン・エンド・ジョンソン」との共催である『ブラック・ジャック セミナー』は、生徒に人気の講座だ。
医学部進学を希望する生徒への サポート体制も万全
こうした講座のほか、9つの理科実験室や、天体観測室など、特に理系志望者にとってはすばらしい環境を備えているのも同校の特長だ。さらに、医学部や難関大学志望者に対しては万全のフォロー体制を整えており、たとえば高校では、放課後に通常の授業レベルよりも高度な内容を扱う「特別課外講座」を実施。生徒は週に1~3講座を選択して受講することができるため、積極的に利用し、実力アップを図っている。
このほか高3では、医学部受験のための小論文対策として授業外でも日常的に添削指導を行う一方、面接指導にも力を入れている。医学部進学に特化したコースを設けていないにもかかわらず、多くの医学部合格者を生んでいるのは、こうした進学サポートのおかげだ。また、年々医学部志望者が増え、そうした生徒に引っ張られる形で、周囲の生徒も高い目標に向かって、切磋琢磨しながら意欲的に学習に取り組んでいることが、結果的に高い進学実績につながっているといえるだろう。
なお、東邦大学への推薦枠として、理学部20名、薬学部5名、看護学部5名がある。医学部については、2016年3月卒業生のうち、15名が特別推薦枠を利用して東邦大学医学部に進学している。うち3名は千葉県の地域枠奨学金を獲得しての進学だ。
2017年度入試より、中学定員は30名増員。12月1日には推薦入試も実施される。今年の注目校だ。
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