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2017.05.09

【データで読み解く医学部入試(2)】国公立大の医学部入試

PART2 国公立大の医学部入試

最大2回受験可能だが、実質は前期の一発勝負!

 国公立大では医学部は50校に設置されている。周知の通り、国公立大入試は前期日程、後期日程の2つの日程に分かれて行われる。最大2回の受験チャンスがあるということだ。

 ところが、前期は49校が実施しているのに対し、後期の実施大学は23校にとどまる。何より、募集人員が約9:1と圧倒的に前期が多くなっている。つまり、実質的には前期の一発勝負ということだ。

 入試は、センター試験と各大学が独自に行う2次試験を受験する。センター試験は国語、地歴公民、数学・理科各2科目、外国語の5教科7科目が基本(東京医科歯科大の後期のみ地歴公民を課さず、4教科6科目)。センター試験の理科は物理・化学・生物から2科目選択が定番。地学が選択できるのは東京大、金沢大、信州大、名古屋市立大、愛媛大の5大学のみだ<グラフ7>。地歴公民は医学部の場合、内容的に易しく範囲も狭い2単位の科目(世界史A、日本史A、地理A、現代社会、倫理、政治経済)で受験できる大学は少なく、4単位の科目(世界史B、日本史B、地理B、倫理・政治経済)から選択という大学が半数以上を占める<グラフ8>

 「医学部の場合、センター試験で90%が目標で、悪くても85%の得点が必要です。数学や理科の理系科目だけでなく、国語や地歴公民も含めて90%得点するのは簡単ではなく、ハードルは高い。2017年度入試では、センター試験の国語の平均点が前年度より20点以上(200点中)も下回りました。国語で思うように得点できず、他学部や私立大に乗り換えた受験生も少なくなかったようです。また、数学もセンター試験の数学Ⅱ・Bは手強く、平均点が60%に届いた年はこの10年間で一度もありません。生半可な学力では90%得点することが容易ではないことがわかるでしょう」<グラフ9・10>

2次試験は前期は学科試験、後期は小論文や面接が主体

 2次試験は、前期日程は英語・数学・理科2科目+面接というのが定番だが、東京大、京都大、名古屋大、山形大の4大学は国語も必須だ。このほか、理科は1科目で済む大学や理科を課さない大学、英語に替えて小論文(英語を含む)を課す大学もある。横浜市立大は英語・数学・理科2科目・面接に加えて小論文も必須となっている<グラフ11>

 「近年は、英語と数学だけだったのが理科を課すようになったり、理科の科目数を増やしたりする大学が増えつつあります。例えば、信州大の前期は2013年度まではセンター試験と数学・小論文(+面接)のみで受験することができ、配点もセンター900点・2次150点とセンターが圧倒的に高く、センターでしっかり得点できれば合格できた。それが、2014年度から徐々に学科試験の科目を増やし、現在は英語・数学・理科2科目(+面接)の受験が必要になっています。このように2次試験の科目が増加傾向にあるのは、2020年度からセンター試験に代わって導入される予定の新テストの内容が不透明なこともあって、各大学で行う2次試験でしっかり学力を担保しようという大学が増えている、と推測されます」

 これに対し、後期日程では、<グラフ12>に示したように、学科試験を課さず、小論文や総合問題、面接で選抜する大学が7割以上にのぼっている。ただ、千葉大や岐阜大などでは面接に加えて、学科試験を行う。そして、これら学科試験を課す大学の方が総じて志願者が集中し、倍率も高くなることが多い。その要因について、加藤部長は次のように語る。

 「小論文や面接は、学科試験と比べて、どうしても出題の予測や事前の対策がしづらく、当日の出題内容によって得手・不得手が出がちです。そのため、どうしても対策の立てやすい学科試験を課す大学に人気が集まるのです。また、学科試験を課す大学は2次比率が高い傾向にあり、2次での逆転を狙うという側面もあります」。

前期は2次試験、後期はセンター試験重視の大学が多い

 次に、センター試験と2次試験の配点比率はどうなっているのか、見てみよう。結論から言うと、前期は2次試験、後期はセンター試験を重視する傾向が強い<グラフ13・14・15>。前期では、最難関の東京大や京都大は2次の比率が80%、同じく高難度の東北大でも79%にのぼる。これに対し、旭川医科大や鳥取大、佐賀大など、単科大や地方の中堅大はセンター重視の比率である。

 「東京大や京都大は、センター試験でも全科目平均で90%以上の得点が必要です<グラフ16>。しかし、90%得点できたからといって合格が確保されているわけではなく、配点比率の高い2次試験で合格ラインをクリアしなければならない。ただし、2次試験はマークシート方式のセンター試験と違って、記述式が主体で、しかも大学ごとに出題傾向に特色があります。特に東京大や京都大、大阪大などの旧帝大や東京医科歯科大などの最難関クラスは問題レベルも高いので、攻略は簡単ではありません」。

 一方、後期はセンター試験である程度得点できれば、合格できる可能性は高いと言える。ただ、前述した千葉大や岐阜大のように学科試験を課す大学では2次試験の比率が高くなっているので、2次での高得点が必須だ。
「このように、前期と後期はもちろん、大学によっても配点比率が異なるので、センター試験で高得点をめざすのか、それとも2次試験の高得点が不可欠の大学を受けるのか、自分の学力や適性も十分に考えながら、志望校を選ぶことが重要です」。



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