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2017.05.15

【データで読み解く医学部入試(3)】私立大の医学部入試

PART3 私立大の医学部入試

2科目必須の理科の出来がカギを握る

 私立大は、前述したように2016年に東北医科薬科大、2017年に国際医療福祉大と2年続けて医学部新設があり、31校となった。一般入試は、学科試験については国公立と同じく英語・数学・理科2科目の4科目が基本パターンだが、東海大は理科が1科目選択、帝京大は必須の英語以外は数学・物理・化学・生物・国語から2科目選択で、いずれも3科目受験で済むため、例年、高倍率となりやすい。

 学科試験の配点は4科目均等配点という大学が中心<グラフ18>。ということは、2科目必須の理科が満点の半分を占めることになる。私立大の医学部合格には、理科の出来が合否を大きく左右すると言ってよいだろう。
「私立大の医学部は圧倒的に浪人生が強い。これは、現役生が入試までに理科2科目の学習が終了できないことが多いからです。中高一貫校は進度が早いので間に合うかもしれませんが、一般の高校では、3年の2学期までに理科のテキストが終わらないというケースもあるので、予備校や塾に通うなどして、自分から先取り学習しておく必要があります。他学部では入試までに何とかなるかもしれませんが、高倍率で学力レベルの高い受験生が集まる医学部入試ではそうはいかないということを肝に銘じるべきです。これ一つとっても、“大学受験の一般常識は医学部受験では通用しない”と言えるのです」。

小論文の出題テーマは医療関連とは限らない

 このほか、私立大医学部では学科試験合格者に2次試験として小論文・面接を課す大学が大半にのぼる。「小論文や面接が必須なのは、医師としての心構えを問うと同時に、患者や家族に対する説明の際のコミュニケーションや言葉の選び方、適切でわかりやすい説明ができるか、といった能力を見るためです。さらに医師になると、学会で発表したり、学術論文を書いたりするケースも増える。それに備えて、論旨が明確で、わかりやすい文章が書けるかなどの表現力小論文で見ようとしているのです」。

 国公立と同様に、私立大の医学部でも、国語力が求められるというわけだ。

 ところで、医学部入試で課される小論文や面接は、やはり医療に関連したテーマや質問が出やすいのだろうか。

 「確かに、医学系の単科大学などでは医療関連の出題や質問が多いようです。しかし、大学全体を見ると、必ずしもそうとも言えない。公立大の例ですが横浜市立大では過去に、課題文なしで『日本の食糧自給率について考えを述べよ』という、医学とは直接関係ないテーマが出ました。私立大でも『“顔” をテーマに文章を書け』や、『3年間付き合った彼氏・彼女に別れの手紙を書け』といったように、予測のつかない、変化球型の出題がなされることが珍しくありません。

 このように、正解のないテーマや課題が出題されるのも、将来、医師となったとき、現場でマニュアルに頼らず、自分の知見や経験に基づいて的確な診断や治療方針を示さなければならない場面が必ず訪れるからです。そのために、小論文や面接もわざと対策しにくい、答えにくいテーマを出す大学があると考えられます」。

 一方、センター試験利用入試は17大学が実施している。必要教科数は4教科以上が主流で、3教科型は5大学のみとなっている。なお、私立大医学部のうち、産業医科大は国公立大と同じく、まず全員が第1次学力検査としてセンター試験を受験し、その後に第2次学力検査として大学独自の学科試験を受験。その合格者に小論文・面接が課される。

「学費」値下げは志願者増、難度アップに直結する!

 私立大医学部を受験する際に、大きなポイントなるのが「学費」だ。<グラフ19>に示したように、約6割は6年間総額で3,000万円以上が必要だ。ただし、自治医科大はもともと無医村をはじめとするへき地の医療現場に医師を送り込むという目的で設置され、学費は全額貸与となっているため、入学時の費用は必要ない。学費は、卒業後一定期間、第1次試験の試験地の都道府県知事が指定する公立病院等に医師として勤務すれば、返還が免除される。また、冒頭に述べたように、2017年度に新設された国際医療福祉大は6年間の学費が1,850万円と私立大医学部の中で最も安く設定されている。総体的に慶應義塾大、東京慈恵会医科大、順天堂大といった難度の高い大学の方が学費は安めだ<グラフ19・20>

 近年、私立大医学部では、受験生や保護者の負担軽減を図るため、学費を値下げする傾向にある。ただし、学費の値下げは志願者を大きく増やすことになり、高倍率に直結する。<グラフ21>に挙げた帝京大でも、学費を下げた2014年度は志願倍率が前年の50.2倍から77.9倍にハネ上がり、難度も大幅に上昇した。



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