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医学部教育の現状

2026.01.09

【WILLナビnext 2026/医学部研究・医学部ってこんなところ―日本大学医学部―】

国際標準のチーム医療が求められる現代
多彩な医療人との協働を通じて

ベストな医療を見出す
コンダクターとなれ


「将来は医師になりたい」と目標を定めている新中学生にとって、これからの医師に求められる素養を知っておくことは、夢への大切な一歩です。医師になるには高い学力が必要ですが、命を預かる医師には高い倫理観など人間力も求められます。大学入学前の6年間の学校生活で、どんな力を身につけたらよいのか、そのヒントとなるお話を日本大学医学部長・木下浩作先生にお聞きしました。

日本大学医学部長 木下 浩作 先生 日本大学医学部長 木下 浩作 先生

多彩な医療職種をまとめる医師には 高い能力と人間性が求められる

──現代はどのような医師が求められているのでしょうか?

 今、医療現場ではチーム医療の必要性が強く語られています。医師や看護師、臨床検査技師や薬剤師など医療スタッフだけでなく、チームの中心には患者さんもいます。こうしたチーム体制をどのように発揮させるかという時、それぞれの立場で合議していくわけですが、そこで最終的にリーダーシップをとるのは医師の役目となります。多くの専門的な情報を捌く知識と能力、そして患者さんや多様な医療職種に配慮しながら彼らをまとめられる人間力が求められます。

──チーム医療はなぜ必要なのですか?

一人の患者さんに対する治療計画を立てるにあたって、医療職種が違えば、それぞれの立場でフォーカスするものが異なります。しかし、いろいろな方面からサポート体制を作ることで患者さんにベストな治療ができるのです。たとえば本学附属病院の救命救急センターでは開設以来、患者さんが搬送されると複数の医師、看護師だけでなく、必ず臨床工学技士と薬剤師が同席して、それぞれの立場でチェックして対応します。これは、初代センター長が諸外国で学び、世界で標準化されていたチーム医療が日本にも必要だと、いち早く取り入れた診療体系です。

大学では初年次教育から チーム医療に触れる

──チーム医療を学ぶために、どのようなカリキュラムを設けていますか?

 たとえば初年次教育の「医学序論」では心肺蘇生法を学びますが、自治体などで教わる時には、通常はグループに対して一人のチューターが指導しますよね。それでは一方通行の教育になってしまうので、本学では医師や看護師、救急救命士、薬剤師、さらに上級生などが、グループに配属させます。医師による医学的な説明をしながら、それぞれの立場からフィードバックします。例えば、実際に町中で心肺蘇生をする際の患者さんへの配慮を看護師などから学びます。上級生の参加は、彼らもまた学習し直すきっかけになるからです。正しい知識がないと人に教えられませんから、知識の定着が見込めます。

──6年間という長い教育で、学生のモチベーションを維持し続けるためにユニークな取り組みをされているそうです。

 本学には写真室という部署があり、そのスタッフが実習中などの学生の写真を撮影してご家族に郵送し、お子様が頑張っている様子を見ていただいています。こうすることで、ご家族には医学部で学ぶことの大変さについて理解を深めてもらえますし、勉強で苦労している学生に対して大きなサポートが得られます。医療人にとって家族の支えというのも、チーム医療の支えの一つと考えております。

日本大学16学部の学生との交流で 視野を広げられる環境

──日本大学医学部としての教育は学生にとってどんなメリットがありますか?

 まず本学は医学部と附属病院が同じ敷地内にあり、効果的な教育が行えます。都内で病院と同じ敷地という医学部はそう多くはありません。また、本学薬学部の学生と合同で1つのテーマに対してディスカッション等を行うワークショップを実施しています。さらに、本学には全16学部ありますが、「ワールドカフェ」といって、他学部の学生と交流するイベントがあります。医学部だけでは視野が広がりませんが、低学年のうちに様々な道に進もうとしている他学部生と出会うことで、よい刺激になっています。

──芸術学部の学生が模擬患者をする授業もあるそうですね。

 「臨床実習前オスキー」のことですね。これは模擬患者に対して医学部の学生が医師役となり、実際の診療を再現するものです。患者役には演劇学科の学生も多く、迫真の演技で患者になりきってくれるので、非常に学習効果が上がります。

──最後にメッセージをお願いします。

 医療現場の様々な課題に前向きに立ち向かえる人材が求められていますが、そのためには、医師になるという強い意思が大切です。成績がよいというだけで医学部を目指す学生は、入学当初はトップレベルでもやがて脱落します。逆に、入学時の成績は振るわなくても「医師になる」という志のある学生はどんどん伸びていきます。一方で、医学部というアカデミアで学ぶには英語力も必要です。英語で論文を読み書きできる国際的な研究力も求められるので、しっかり学んでください。

日本大学医学部

〒173-8610 東京都板橋区大谷口上町30-1
TEL 03-3972-8111
https://www.med.nihon-u.ac.jp/

●医師や医学研究者としての基盤を構築する学習環境を整備

●医療現場で不可欠な倫理観を学ぶ学習体制も充実

医学の基本である人体の構造・機能を学ぶ「基礎医学系ブロック講義」、少人数グループでディスカッションを重ねながら課題解決を図る「PBLテュートリアル」など、医師・医学研究者に求められる資質を確実に磨けるような学習環境が整備されている。1年次の「社会体験実習」をはじめ、医師の使命や生命の尊厳など、医療現場で不可欠とされる倫理観を学ぶ学習体制も充実している。医療の国際化に対応して「医学英語」を6年間設けているのも特色。

【プロフィール】

日本大学医学部長 木下 浩作 先生

和歌山県生まれ。87年本学医学部卒。
91年本学大学院医学研究科脳神経外科学修了。2012年から医学部教授。22年4月から現職。

救急医学系 救急集中治療医学分野 教授。

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